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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   疑問をもつ   ミュウ

 公民の授業で、現在の日本は「情報社会」だということを学習した。マスメディアが急速に発達し、リアルタイムに情報を入手することが可能になったそうだ。しかし、テレビが流出した一方、「情報操作をしているかもしれない」という、テレビが一方的だ、ということも問題となっている。もしかしたら、実際に起こっていない出来事を放送しているかもしれないし、日本にとって有利な映像しか世間に流していないかもしれない。それが日本の現実だ。だが、テレビ局に左右されるような気持ちで毎日を生活してはいけない。私たちは、情報に対して疑いを持つべきである。
 その第一の方法は、一様な物を異なる立場から見ることだ。例えば、反日デモ。日中共同声明や日中平和友好条約に調印したものの、現今は国交が悪い。中国側は、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに反対し、また、靖国神社参拝に対して不満があるようだ。しかし、自民党の安部氏は「靖国参拝は首相の義務」として中国を批判している。同様に、歴史教科書検定についての抗議も、日本側は「それは正当」のような判断を下している。塾の先生から聞いた話だが、安保理事会の常任理事国入りを果たすために、日本は自衛隊を他国よりも一刻も早く派遣し、救助活動を行っているそうだ。これらの日本側の意見は、テレビの画面上で正しく放送されているだろうが、中国側の意見はどうだろう。日本にとって都合の悪いような意見が、中国国内では多数あるのではないだろうか。このように、情報を一方的に受け取らずに、疑いを持たねばならない。
 第二の方法は、同じ事柄を別の手段で見ることだ。映像だけで情報を見たら、次は活字で情報を見る、という感じだ。つまり、映像を外した状態で情報を読み取る、ということである。私はあまり、というか全く新聞を読まないが、時々テレビ欄以外もきちんと眺める(笑)。その中で最も興味があったのは、JR福知山線の脱線事故だ。勿論、最初にそのニュースを知ったのはテレビでだが、日数が経つにつれ、新聞でも確認するようになった。なぜ、脱線してしまったのか原因が知りたくて新聞を開いたのだが、どうも活字と2,3枚の写真では理解できない。本当にそうなのだろうか、と疑ってしまったほどである。そこでテレビを付けてみたら、ほぼ分かった。このように、もし、一種類のマスメディアでしか情報を取得しなければ、疑問点を持てずに、テレビ局や新聞社に動かされる人間になるだろう。
 確かに、わざわざ疑問など抱かなくても良いのではないか、と考える人はいるだろう。しかし、「私たちの幸福が、他の人々の不幸に支えられているのであってはならない。」という名言のように、テレビなどに動かされてはいけないのだ。テレビが放送することは、全てではない。「ちょっと待った」「他にないのか」「真実なのか」と考える姿勢や気持ちを携えて、生きていかなければならないのである。

   講評   nara

 なんと! 時間の目標は90分だよ。しかし、他の項目がクリアできているから、今回は進級テスト合格だね。
 今回の長文は主にテレビの持つ危険性が述べられていたけれど、新聞であれ、雑誌であれ、「発信者の意図」というフィルターを通していないものはない。それに、人間の頭はどこかこずるいところがあって、自分が受け容れやすいものを知らず知らずにセレクトしているところもある。題名どおり「疑問」を持ちつつ情報に当たることは、情報があふれていて、誰しもが発信者になりうる現代において、基本的な姿勢なのだろうね。長文をよりふまえるとすれば、なぜ、テレビが他のメディアに比べて、危険度が高い(と思われる)のか。ここについてふれておくといい。映像・瞬間的な判断・受身の姿勢などについて考えてごらん。
 複数の方法はどちらもわかりやすい説明になっているね。情報コントロールは、今や国家の一大問題となっているのかもしれないな。アメリカもそうだし、中国もそう。自国民と他国に向けて「どう見られたいか」を意識して情報発信されていると、よく指摘されるね。そして、その情報が一元化される不幸は、第二の方法にも関わる話だ。さて、日本はどうだろう? 
 今回の名言から、「テレビに動かされてはいけない」へのつながりが、ややわかりにくい。少し説明を加えてみよう。「与えられた情報は、実は発信者がある意図をもって選別した情報であるとともに、私たち受信者が無意識のうちに望んでいる自分に都合のいい情報である可能性はないのか?」などの文をはさみこむと、つながりがわかりやすくなりそうだね。
 「テレビが流出した一方、……という、テレビが一方的だ、ということも問題となっている。」
 この文は意味が伝わりにくくないかな? 「流出した一方」が原因だと思うよ。
 日本語としてやや不自然な言い回しやミスがあるよ。
 毎日を生活する → 毎日生活する/毎日(を)過ごす
 国交が悪い → 国同士の関係が悪化している(冷えている)
 自民党の安部氏 → 安倍晋三氏?
 他国よりも一刻も早く派遣し → どこに?

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