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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ‘型’の意味   あるま

 能役者の足の動きはとても美しい。人の心を奪うその異様な力を追求していくとそこに型というものが浮かび上がる。型は力を生む。型へ体をはめこむことによって型をこえる力に到達する。型こそがすべてを可能にするのであり、自然の、あるいは現実の体というものを能役者が拒否できる根拠は、この型というものなのである。今の日本の社会は型を重視して内面に気を入れない傾向にある。
 その原因のひとつは、日本人は常に上を目指し完璧主義すぎる一面があることである。日本では、すべてにおいてパーフェクトにこなす人は尊敬されるし、それを目指して様々なことに取り組むのである。そのことをよく表した語に「文武両道」という言葉がある。この志は立派なものであるし、確かに私もこれを目標としている。しかし、その完璧主義のあまり、例えば過労死してしまう人が増えたり、必死に取り組むことに疲れて力を入れていたものを根本的に嫌ってしまったり、という話も耳にする。完璧主義という型にとらわれて本当に大事な自分と向き合う気持ちが無視されてしまうのである。
 もうひとつの原因は、気持ちがこもっていなくとも型にはまっていることに満足してしまうことである。スポーツにおいても、たとえ自分より格下の相手との勝負であっても全力で勝つというのは気持ちのこもった上での「勝つ」という型にはまった例であるが、私は格下の相手だからと適当に勝負をして勝つような人を見たことがある。確かに‘勝ち’には変わりないのだが重みが違うと思う。そんな人が、「絶対に余裕で勝てる!」と思っていた相手に逆転された時、つまり、「勝つ」という型にはまらなくなった時に、きっとどうしたらいいのか分からなくなるだろう。能は精神を型にこめていると理解した上で表現されるものだからこそ美しく見えるのである。
 確かに型にはまるのを目指すと、何事もきれいにおさまり、また要領も良い。しかし、「型は、はめなければならないものではなく、一種の目標である」というように型にとらわれて自分らしさと結び付けられないのは問題である。今後、私たちは型にはめることより大切なものに気付く努力をするべきである。

   講評   huzi


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