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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   やってみる   ミュウ

 日本は昔から島国であり、海に囲まれ、海外との交流はそれ程深くなかった。飛鳥時代から平安時代にかけて遣隋使・遣唐使が派遣されて、多少の文化が日本に流出したぐらいだ。また、江戸時代には鎖国政策を行い、その時にも外国との国交が途絶えられてしまった。そのため、日本人は国際感覚を身に付けづらい。日本の国の位置という地理的な状況のためでもあり、昔から他国との交流に場慣れしていないのである。また、国際感覚を習得することは、地球市民に近づくことでもある。そもそも、地球市民とは何だろうか。それは、最も大きく・広い社会集団のことだ。アポロ9号に乗ったある宇宙飛行士は、「地球は一つ」であり、地上では国境はあるが、「外から眺めると国境はない」と悟ったという。つまり、国境で示す「国民」ではなく、地球に住んでいて、且つお互いに理解しあっている人間たちのことだ。また、現代の地球は環境や経済的な面で問題を抱えている。それを改善しようとすることは、地球市民の考えることだ。私たちは、その地球市民にならなければならない。
 そのための第一の方法は、異文化に接する機会を増やすことだ。私の体験からいえば、昨年実施された文化祭がそうである。私の通う中学校では、二年に一度、体育祭と文化祭が交互に行われるのだが、去年は文化祭だった。前回は「国際」という分野で活動し、日本または他国の文化・地域的特色などをクラス単位で調べ、発表した。ちなみに私たちの班はモンゴルの衣装・住居・食文化・遊びなどを調査した。もちろん、他の学級の調べた内容も見聞きし、たとえ国や人種が異なっても、同じ地球上に住んでいることには変わりはないのだ、ということを感じた。学校行事だけではない。ラジオやNHKの教育テレビで放送されている語学講座も同様だ。それらメディアでは、英語を始め、ドイツ語などの語学番組を流している。日本語とは大違いの文法だ。ドイツ語については無知だが、英語では主語の後に動詞がすぐに入る。これも異文化であり、違和感を覚える。だが、「違う」というのは、相互に知っていないと感じられない感情だ。つまり、一歩踏み込んだ結果と言っても過言ではないはずだ。このように、異文化に触れることは、地球市民への第一歩を踏み出すことだ。
 第二の方法は、行動力を身につけるための、自分の意見を持つことだ。実行力がなければ、なかなか世界へ貢献できないはずだ。6月から省エネ対策として「ノーネクタイ・ノー上着」というキャッチフレーズの軽装化(愛称クールビズ)運動を始めた。環境省が公募約3200通から選んだという。これを提案した日本人は、つくづく素晴らしいと思った。この意見がなければ、二酸化炭素削減の対策がなかなか行われなかっただろう。日本ネクタイ組合連合会の小堀剛会長は、ネクタイ業界が打撃を受けているとして、小泉内閣の閣僚全員に、そのキャッチフレーズの使用中止などを求める要請書を郵送したらしいが(笑)。話を戻すが、その運動が発案された後は、行動に移さなければならない。このキャンペーンに参加する・しないは人それぞれだが、地球市民になるのならば、参加すべきだろう。
 確かに、忙しくて世界へ目を向けることは難しいかもしれない。だが、「何事もしない者だけが失敗もしない。」という名言のように、何かしら物事を開始しなければならないのだ。部活の顧問(テニス部)の先生も、「何もしないで試合に負けた、ではなくて、負けるなら何かをして失敗して負けろ」と練習試合の度に話す。まさにその通りだ。私も地球市民へと向かって、「やってみよう」精神を抱いて生きたい。

   講評   nara

 第1段落、日本の地形や歴史的事実のあとに、いきなり「また、国際感覚を習得することは……」というのは唐突すぎないかな。そして、「地球市民」もいきなり登場している。もちろん、地球市民の説明はその後に続いているけれど、この言葉が一般的に定着しているわけではないから、やはり唐突な印象になる。おそらく、推敲モレだろうけれどね。……と厳しいコメントから入ったけれど、今回は総合点で3桁を出したね。すばらしい! 過重量でマイナスされているので、もし工夫するのであれば、漢語を別表現にできないか考えてごらん。
 複数の方法は、どちらも具体例を提示しつつ、わかりやすくまとめられた。「知る」ということと、その先にある「動く」ということ、どちらも大切なことだね。わかっていても頭でっかちなだけで、全く動かなければ何も変わらない。無鉄砲に動いてマイナスの方向に進めたり、力を浪費したりしても、事態は改善されない。複数の方法をうまく連動させることが大切なのだね。
 「やってみよう」シンプルでわかりやすい提言だ。大切なことは思いのほかシンプルに表現できることなのかもしれないな。何か一つが動き出せば、そこが元となって動きが伝わっていく……そのきっかけは身近な・小さなものでもいいのだろうね。
 多少の文化が日本に流出したぐらいだ
 → 「日本は……」で始まる段落なので、「流出」ではなく「流入」の方がよいのでは?

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