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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化と技術   A.L

 科学技術は地域や民族の差異を越え、それゆえにヨーロッパに生まれたという出自を抜け出て、全地球に広がった。日本近代がヨーロッパ近代の受容をともなって成立したとき、両者は同心円を形成するわけではなかった。柔らかい普遍性がいろいろの中心を併存せしめ、そのひとつとして科学技術を内に包んだのである。その他中心的な複合構造が、自己同一性を基本とするヨーロッパ近代と日本近代の構造上の違いだとも言える。私は、外国の技術や文化は自分の文化に合わせて受け入れるべきだと思う。
 そのためには、上辺だけの模倣をやめる必要がある。例えば、日本人は模倣が得意と外国からよく言われている。その根拠となっているのが、日本の科学技術は応用研究が中心であり、世界のトップクラスであることだ。応用研究とは、一言で言えば実生活に近く国民に還元されやすい研究である。そのため、成果が上がるとすぐに実用化、商品化がされて一般人にも理解されやすい。しかし、応用研究の土台となる基礎研究は成果を外国から輸入することが多い。基礎研究というのは実生活とかけ離れていて、実際に役に立つかどうかも分からないため、一般人の理解は得られにくい。ただし、基礎研究の中でも応用研究の成果、コンピュータ(地球シュミレータ等)を駆使して行う分野では、世界トップクラスである。
 また、自国の文化の良さを再発見することも必要である。
 たしかに、進んだものを積極的に受け入れることも必要である。しかし、「その国の文化は、その国の人よりも外国の人のほうが知っている」というように、私は外国の技術や文化は自国の文化に合わせて受け入れるべきだと思う。

   講評   kira

 ALくん、こんにちは。テーマは比較文化論だったのですが、自分の興味に沿って、科学技術論になっちゃいましたね。科学技術も文化も、自国に取り入れる際にひとたび自分の国の文化というフィルターにかかっていることを自覚すべきという意見でしたね。
 科学技術のなかに基礎研究と応用研究という区別があるという指摘は、興味深い切り口ですね。たいへん勉強になります。「日本人は模倣が得意」と言われるのはどちらかと言うと批判的な意味で言われますから、言葉は悪いけれど「猿真似」ってことですよね。日本の応用研究も進んではいるけれど、基礎の部分が等閑にされているということでしょうか。一言ALくんの見解を入れておくといいね。
 日本文化のよさには興味が薄かったかなあ。歌舞伎は私が好きなので例としてあげましたが、祭りの継承や自然と仲良くする暮らしなど、いろいろ考えてみよう。
 自作名言は外から見たほうがよく見えるという指摘ですね。同時に自分のことはよく見ていないという警告ですね。かたちだけ、上辺だけの開発、近代化は様々の問題を孕んでいます。それが今じりじりと表面化してきたのですね。
  

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