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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   知価革命   シュシュ

 一八歳の少年がコンピュータ・ソフトで大儲けすることもあるが、三〇年のベテランも全くだめなこともある。主観に依存する知価は、いかにそれが社会化されてもやっぱり数値化不可能であり、コストとの関係も存在しない値打ちなのだ。だからこそ、「知価」が重要な役割を果たすような社会——「知価社会」は、工業社会の延長上にある「高度社会」などではなく、工業社会とは全く別の「新社会」なのである。今、この一九八〇年代に、日本で、そして世界の先進諸国(とりわけアメリカ)で起こっている変革は、いわば「知価革命」なのである。私は全てのことを平均的にできるようになるのではなく、何か一つ自分にしかない能力を育てていくことが大切だと思う。
 そのための第一の方法は、自分の趣味の時間をおろそかにしないことだ。学校の勉強や仕事などのやらなければならないことがたくさんあり、自分の趣味の時間をつくることはついつい後回しになりがちだ。趣味の時間を自分ではとりたいと思っていても、周りからの批判などが気になりこのような時間をとれない場合もある。しかし、皆ができることだけしかできないのでは、これからの社会で必要とされる人間になることはできない。好きなことを見つけ、それを極めて自分にしかできないことへしていくのだ。私の場合は、それは読書にあたる。私にとって本を読むことは、日常生活の中で食事と同じくらいの自然な習慣だ。ずっと小さなときから、いつも隣りには本があった。今は高校生になって、勉強も忙しくなり前と同じくらいの量の本を読むことは難しくなったが、これからも活字を読みつづけていきたいと思っている。きっとそれは、私の将来に大きな良い影響を与えてくれると信じているからだ。
 そのための第二の方法は、学校教育の方針を、もっと生徒個人の特性に合わせていくことだ。今の社会では、子どもはそれぞれ皆が違うのに、最低でも9年間は全員がまったく同じ教育を受けなければいけない。部活動や少しの選択科目はあるかもしれないが、基本的には全員が同じことをできなければならない。これからの「知価革命」に、この学校制度は適したものと言うことができるだろうか。幼いときから、もう少し自分の好きなことに時間を費やす習慣を作るのを、学校が手助けできたら良いと思う。
 確かに、今までの工業化社会がなければ、人間のここまでの発展はなかっただろう。しかしこれからの人間は、もっと自分の特性というものを磨いていくべきだ。最近、ニュースなどでよく話題になることの一つに自殺者の増加などがあるが、その原因の根本となるものはストレスだろう。社会からやらなければならないことを山積みに出され、押し潰されて死を選ぶ人もたくさんいるだろう。全てを平均的に伸ばすのでなく、長所、自分の好きなことを思う存分のばすことができる社会になれば、自殺者も減るのではないだろうか。少なくとも私は、今の社会のプレッシャーに負けないで、長所を生かしていきたいと思っている。

   講評   nane

 知価革命の時代にふさわしい勉強を、ということだね。
 自分の趣味を大切にというのは、いい方法。それが読書というのは、将来性があるね。高校生のころは、読む本の質もどんどん変わってくる。先生も、高3のとき、「世界」とか「展望」とか「自由」とかいう硬派の月刊誌を読むようになった。その後、大学の4年間はずっと遊んで(笑)、大学5年のころ(昔の大学は5年制だったから)、突然サルトルやヘーゲルを読むようになって、考えがかなり変化した。言葉の森にも、いろいろ面白い本があるから、これからがんばって読んでね。
 結びの反対理解も、よく考えた。「すべてを平均的に伸ばすのではなく……」は名言に近いが、もう一息。最後の自分の行動提起は力づよい。
 書き出しは、要約でなく状況実例でもいいよ。

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