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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「注文の多い料理店」を読んで   ナージャ

                菅亜莉紗

 この童話と出会ったのは、小学校1年生の時でした。
 楽しそうな本だと思い読んでみたところ、想像していた物語とは全く異なっていました。
 読む前は題から想像して、山猫が経営している楽しい料理店の物語だと思っていたからです。
 ところが、楽しいはずの物語が段々と怖い物語に展開して行くことに、少しショックを受けながら読み終えたことが、今でも印象に残っています。
 特に怖かった場面は、「二人の紳士の顔がくしゃくしゃの紙屑のようになってしまい。
東京に帰ってお湯に入っても、元通りの顔に治らなかった」と言うところでした。
 物語を読んだ後も、二人の紳士のくしゃくしゃになった顔を想像し、しばらく胸がどきどきしていました。
 今でもこの場面を読み返すとちょっとだけどきどきします。
 また、二人の紳士は東京へ帰ったのだから、元通りの顔に治してくれても良いのではないかと考え、少し可愛そうに思いました。
 あの頃から、何度か繰り返し読んでいるうちに、今は違った視点で理解し読むことが出来るようになりました。
 宮沢賢治先生に顔をくしゃくしゃにされた二人の紳士は少し可愛そうだと思いましたが、都会の人間が田舎の美しい自然に土足で
踏み込み、勝手に荒そうとした山猫からの警告と考えました。
 また、二人の紳士は命があるだけ運が良かったのかもしれません。自然を破壊することは簡単なことであっても、自然を復活させることはたやすくないことを宮沢賢治先生は、この童話を通じて訴えたかったのかもしれません。
 人間は生活を豊かにするために、自然破壊を繰り返してきました。今はその反省から学校や会社などで、様々な環境改善活動をしていることを、良くテレビや新聞で見ることが多くなってきました。
「注文の多い料理店」は宮沢賢治先生が、環境破壊や絶滅する野生動物の危機を未来へメッセージとして託して残された作品集ではないかと考えました。

   講評   hamura

 感想文を送ってくれました。(トレーニングについても、またいつかぜひ教えてくださいね!) とても上手です。感想文ですから、本文の内容に触れながらも、自分の考えを中心に仕上げられているからです。最初の印象と、読み始めてからの感じがちがう、という経験はだれにでもあると思いますが、それを感想文の中に入れると、効果的だなぁ、と、私も勉強になりました。それを書くことで、本の内容もうまく解説することになるからです。「特に怖かった場面は」と的をしぼったのもよかったです。さらに、以前感じたことと今の考えとの違いを述べることもできました。その内容もすばらしいです。とても深い読みですね。さらにその考えを発展させて、今の世の中全般に対する意見としてまとめているのも見事です。読み応えのある堂々とした感想文です。宮沢賢治先生というのは、本当にすばらしい作家だ、と、改めて感じさせる力があります。たいへんよくできました。

2週目は休み宿題です。自由な題名で書いてくださいね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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