対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いろいろな花と人   ベッキー

 同じ名前がついている花でもよく見ると、一つ一つが人間の顔が違うように、それぞれの表情を持っているからである。
花屋さんでは、開きすぎたものは売り物にならないようだけれど、開きすぎて雌蕊や雄蕊がとび出したものも、咲き終わってかれてしまったのも時にはハッとするくらい美しい表情を見せてくれることがある。花の色が一日にして変化するのだから、まして心を持っている人を見るとき、自分のわずかな秤で決めつけてしまうのなんて全く間違っていると思う。
 ずっと前、イトーヨーカドーの四階で、輪投げがやっていて、私がやりたいと言うと、母は、
 「どうせ三百円無駄にするんでしょ。」
と言いましたが、やってみると、なんとパプアンキンイロクワガタが当たった。まるで私はわなげが得意のようだ。そのクワガタを大事にそだてたが、羽がクシャクシャのくわがたになってしまった。私はクワガタにもいろいろいるのだと分かった。
 もし、マスカットを知らない人だとマスカットは黄緑色だからまだ食べられないと思ってずっとほっといたらマスカットはくさってしまっておいしいマスカットが食べられない人もかわいそうだし、食べてくれなくてくさってしまったマスカットもかわいそうだ。なっとうがきらいな人は、くさいからいつまでも納豆を食べれず、いつまでも納豆のおいしさがわからない。
 テレビで見た人は、手や足が両方ともなくて、大活躍をした人だった。もし私がこうだったら、まだ残っているものは使う。首から上は全然動かない人は、介護用品を作る社長をやっている。たぶん自分がマヒしているからつくっているのだろう。この人は、もうすぐ死んでしまうかもしれないのだ。
 いろいろな生き物にはいろいろなものがいるのだとわかった。

   講評   nara

 私たちは、たくさんのものを目にして、耳にして、口にしているようだけれど、知らず知らずのうちに、「これはこう」と決め付けているのかもね。そして、実は、たくさんのものの中のごく一部だけを手がかりにして「こう!」と思っているのかもしれないな。
 先生は、そのことを「サングラスみたい」と思っているよ。サングラスをかけると、そのグラスの色がうつって、白い花も白く見えなくなるでしょ。そして、困ったことにサングラスをかけていること自体を忘れてしまうことが多い。だから、自分の目で見ていること・見えていると思っていることが、正しいことだと思い込んでしまうのだね。
 羽がくしゃくしゃのクワガタ・緑色のぶどう……そんなのありえない! そう思っていると、世界がどんどん狭くなっていきそうだね。私たちは、何でも知っていると自分のことを思いたいけれど、本当は、知らないことの方がずっとずっと多い。だから、よく目を開いて耳をすましていなくてはならないのだなぁ。
 「いろいろなものがいる」というのは、当たり前のようだけれど、その当たり前に気づかないことや、知らんぷりをしてしまうことがあまりにも多いのだろうね。自分とはちがう・あれとこれとはちがう・昨日と今日と明日とではちがう……だからこそ、おもしろいこともたくさんあるのだと思うよ! もし、「いろいろなものがいない」状態で、みんな一緒だったらどうかな? 考えてごらん。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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