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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   安らかにお眠りください……   ちび丸あん

 世界で初めて日本に原爆が落とされた日、私は生まれていなかった。お父さんお母さんだって生まれていなかった。私の妹が偶然8月6日に生まれていることもありこの日のことは気になっていた。広島へ行こうと思ったのは原爆がどれだけの被害をもたらし、どれだけの恐ろしさがあったのかということを知るためだった。
原爆資料館に入ってすぐに私は、戦争の悲惨な姿を目のあたりにした。リトルボーイとよばれた原子爆弾に一瞬にして燃え尽くされたヒロシマは、さっきまで歩いていた人も笑っていた顔もかけまわっていた子供も……、それぞれの人生があったはずだ。その時の様子をリアルに再現してあるジオラマには思わず目をふさぎたくなる程のショックを受けた。
 戦後60年を迎えた8月15日、小泉首相は日本が戦後60年間再び戦争を起こさず軍事大国にもならず、平和国家の道を歩んできたことを確認した。今後とも各国との友好・信頼関係を発展させ世界の平和と繁栄に貢献していく決意を表明した。私は、戦後100年になっても1000年になっても平和国家の道を歩んでいってほしいと思った。それは日本だけでなく世界中の人々にもそう思ってもらいたい。今もなお戦っている国があるということは悲しいし残念なことだと思う。これ以上戦争による犠牲者を出してもらいたくないと私は今、強く感じている。
平和記念公園の慰霊碑の下に眠る人々へ安らかなる眠りと犠牲者の人々の分まで生きるという気持ちで手を合わせた。

   講評   nara

 この作文は決して字数が長くはないし、過剰に盛り上げるような書き方もしていない。なのに、読む人の心に深くしみこんでくるよ。静かだけれど、強い思いをこめた、すばらしい作文だ。ここに書いてあることは、ある程度の年令の人であれば、歴史の勉強や新聞・雑誌を通して知っていることだ。特に目新しい事実が書いてあるわけではない。それなのに、人の心を打つのは、あんちゃんの心からあふれ出た言葉がつづられているからだろうね。
 あんちゃんも、あんちゃんのお父さんお母さんも、戦争を体験したことがない。体験したことがない人がこれから増えていって、世界中の人が戦争を体験したことがない人だけになったら、どんなに幸せだろう。そのためにはどうしたらいいのか? 不幸にも戦争を知っている人が残したものを受け止め、戦争が引き起こしたことから目をそらさず、語り継いでいくことが大切だね。
 お母さんから「車で行った」という話を聞いたよ。慌しい日程だったとは思うけれど、広島で得たものは大きかったね。8月6日に生まれた妹の話は印象的だ。60年前の8月6日に生まれた子もいただろう。うまれたその日に命を奪われた子、誕生日を祝えずに被爆してしまった子や、その子の家族……戦争で命を奪われた人たちは、特別な人ではなくて、私たちの横にいてもおかしくない、普通の人たちなのだということを、私たちは忘れてはいけない。「妹の誕生日」はそのことにつながる題材だね。
 この文章は、いつか、戦争関係の本や長文を読んだときに、また思い出して関連付けができそうだ。一つ一つの経験が、つながりあって、あんちゃんの考えを形作っていくのだね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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