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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   現実と擬似現実   はるる

 現代では、家の中で閉じこもっていても外の情報を得ることができる。そしてその情報を得る手段は人づての噂から、文章による伝達、その後視覚・聴覚に訴えかける映像による伝達というように時代を追うごとに進歩し、私たちにダイレクトに影響を及ぼすものとなっていった。そのおかげで、私たちは一昔前には想像できなかった程のありとあらゆる知識を得ることに成功している。だが、これらの手段によって得られた情報による知識は、必ずしも事実とは言いがたい。私は、現実のコピーである「擬似現実」を信じすぎるあまり、人々が誤った判断やイメージを起こしてしまうということが問題になると思う。
 その第一の対策として、自分の実体験以外からの情報はあくまで一つの知識と捉え、その裏づけは自分でするということが挙げられる。つまり現実と自分の頭の中の知識を混同しないよう気をつけるのだ。例えば、私が料理について詳しくなりたいと思い立ったとしよう。けれども、一つ一つの料理を実際に食べ歩くのはなかなか大変だ。だから専門書を買い勉強することにする。とにかく私はどの魚にはどのような調理法が良いのか、というような知識を頭に詰め込み、そしてあたかも自分はエキスパートになったような気になる。だが実際はそうではないと誰もがわかるだろう。実体験に基づいた裏づけがないものは事実とはいえないのだ。
 第二の対策は、多種多様な見方をメディアが持つことだ。メディアは、それが擬似現実であるとしても、我々に情報を供給するという重要な役割を担っている。なぜ擬似現実を現実と思い込んでしまうのが危険なのか、それはその物事を一つの固定された視点からしか見ていないからだ。それならば、メディアが一つの視点に縛られない情報を配信すれば良いのではないだろうか。多方面からの情報を受け取ることができれば、私たちが持つ擬似現実も多少は現実に近づくかもしれない。
 確かに、現実は住んでいる国によって大分違った捉え方をされる。すでに手を加えられたかもしれない擬似現実を判別するのは難しい。なぜならその人がどのような教育を受けたかによっても、現実は変化して見えてしまうからだ。けれども、だからといって擬似現実を完全に排除しようとするのではなく、上手く自分のものしていく努力をするべきだろう。そしてその前提に、自分の家に閉じこもって知った情報が、そのまま現実となることはありえないと常に念頭に置くことが必要不可欠だ。

   講評   sugi

 お茶の間(古い?)にいながらにして、世界中で起きていることを知ることができるというのは、すばらしく便利な世の中だけれど、そのことによる危険については、私たちはあまり考えないですね。やはり何かを究めようとしたとき、第一の対策のように、実体験を積み重ねる古典的な方法によって得るものは貴重ですね。これは納得です。
 第二の対策はおもしろい! メディアの責任も重大というわけですね。メディア側も、そのような認識を持ち、崇高な志を持って仕事をしている場合ももちろんあるけれど、逆もある。故意に事実を歪めるようなことがあったとしても、受け取る側は判断ができないので、これは非常に危険。メディアは、責任の重さを改めて考える必要がありますね。
 提出も早かったし、内容も立派。進級テストはもちろん合格です。おめでとう!

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