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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いっぽん道   れもん

 地図の利用方法を習ったのは、小学校三年生のことだっただろうか。私は、そのときまで、地図が大嫌いだった。意味不明な線や記号ばかり書いてあって、複雑で目が痛くなりそうだと思った。そして、そんな地図をみて、道を判断する大人が不思議だった。私たちは日常、未知の道に訪れるとき、地図を使用することが多い。最近、自動車では、カーナビもよく使用されている。しかし、よく利用する道を走るときは、カーナビを使用すると、反って迷う、と聞いたことがある。それは、家族の性格を知人に紹介するときに困る、という感覚と似ている気がする。普段は、特別意識せずに、当然の感覚として接しているため、傍から眺めるということが困難なのだ。慣れている道の場合も、普段の感覚を振り払うことが難しいのだと思う。一見便利だが、ときに人を惑わす地図は、どのように活用したら良いのだろうか。
 まず、地図に頼らず、自分の知識で行動したほうが良い、という意見がある。私は幼い頃、自転車で家の近所を走り回っていた。好奇心旺盛だった私は、迷うということに憧れていた。そのため、様々な場所に行って、そこから迷路のように家に戻りたい、と思っていたのだが、どんな方向に走っても、迷うことができなかった。目的地である自宅まで迷わずに到着してしまった。多分、それは何度も近所を散策している間に、当然のこととして、記憶されていた知識があったからだろう。このように、他人に教えられなくても、自然に染み付いていく知識を大事にしたほうが、危険に遭遇しにくいと思う。(複数の理由Ⅰ)(体験)
 一方、他人の情報である、地図を活用したほうが良い、という意見がある。確かに、人間が一生のうちに、把握できる地球上の道なんて、当然、限定されている。全く知らない場所に置かれたとしても、地図と、その使用方法さえ理解している脳があれば、今自分自身がどこに居るのか認知して、進むことができるのだ。このように、地図があれば知らない道でも不安を抱かず、自由に行動することができる。(複数の理由Ⅱ)
 これら二つの意見のとおり、確かに、自分の知識も他人の情報も大切にすべきだ。しかし、一番重要なことは、「限られた人生で、大事なことは、「何をするか」ではなく「何をしないか」である」という名言もあるように、その時々で、無理をせず臨機応変に対応することである。自分も他人も尊重することは、不可能なように思われがちだが、心の奥底で尊重していれば、きっと最良の結果を導き出すことが可能なのではないだろうか。(総合化)(名言)
              

   講評   nara

 カーナビと「家族の性格を他人に紹介する」ということが重なるとは、おもしろい感覚だなぁ。我が家の車にもカーナビがついているけれど、ナビを使うようになって、地図を見なくなり道を覚えられなくなった。以前は、一度走った道はだいたい頭に入っていたのになぁ。「地図→カーナビ」という変化の前には、「地図なし→地図あり」という流れも当然あったはずだね。
 第1意見を読んでいてふと思ったのが、「迷う」とは何ぞや、ということだ。正式なルートという意識があるからこそ、それに反して「迷う」ということも生まれる。幼いころは、「見知ってはいない場所」ではあっても、「正式ルート」という意識が薄いから、迷っているというつもりもない。迷っていないから目的地にもきちんと到達した(たとえ時間がかかったとしても)と思えるのかもしれないね。もちろん、第2意見にもあるように、関わる社会が広がれば指針や情報がないことには、身動きすらとれないということも出てくる。社会を広げるためにも、小道具が必要になってくるだろうね。
 まとめの「心の奥底で尊重する」というのが、ややわかりにくい。どの方法をとるかを最終決断をするのは自分の意志だけれど、その意志を導く過程において、一方的にいずれかを排除することはしない……そういう意味合いで理解してよいかな?

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