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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   北海道旅行   えとわ

「北海道旅行が晴天でありますように、事故なく行って帰ってこられますように。」
と私は、神様にお願いをした。天気予報では、関東地方に台風が近づいていたが、北海道は晴れの予報でよかった。私たち三人は、1時出発の飛行機に搭乗した。なんとポケモンの絵が描かれた黄色い全日空の飛行機だった。飛行機に乗るのは11回目だというが、幼いころに乗ったので、あまり覚えていない。《構成》
 離陸するとき、すごい音とスピードで走り出し、ふわっと浮いてどんどん上昇していった。下を見ると、まるで、地図を見ているようだった。《表現》1時に新千歳空港に到着し、レンタカーで一泊目のホテル大雪に向かった。ホテル大雪では、三つの温泉に入り、粗品をもらった。
「粗品って、何?」
と父に聞いたら、
「粗末な品物だよ。」
と教えてくれた。本当にその通りだった。
 次の日、いいお天気だった。大雪山ロープウェイに乗って、五合目まで行った。そこから山々を見渡した。私は広大な景色に感動した。母は、
「きれいだね。秋に見たら、もっと美しいだろうね。」
とつぶやいていた。
 層雲峡をあとにして、銀河、流星の滝に行った。私は,
「見なくても ザァーと聞こえる 滝の音」
と俳句がひらめいた。母に、
「松尾芭蕉みたいね。」
とほめられた。
 次に、北きつね村に行った。放し飼いになっているきつねに、ビーフジャッキーみたいなえさをあげた。かみつかれそうだったので、ほうり投げた。すると、くいしんぼうのきつねがすごい勢いでこっちへ向かってきた。
「もっとえさをくれ。」
という感じだった。私が持っていたえさを離すと、きつねは、地面に落ちる前にジャンプキャッチをして食べていた。父が、次に行くぞと言ったけれど、私は楽しくて、しばらくきつねとたわむれ遊んだ。
 また、車を走らせて、網走監獄へ行った。舎房の扉が開いていたので、中に入って見学をしていたら、父が扉を閉めてきた。閉じ込められる寸前に脱出した。周りの人が笑っていた。さらに、父は、看守になりきって、
「お母さん、食事だ。えとわ、食事だ。」
と小窓から声をかけていた。私は、おもしろくてけらけら笑っていた。母は、あきれていた。
 今日の見学の最後を小清水原生花園にするはずだった。正面には、この日泊まる知床半島が見えた。海を見ると、かすかに国後島が見えた。看板に『返せ!北方領土』と書いてあった。すぐ近くに原生花園駅があったので、駅長の洋服と帽子をかぶって写真を撮った。車に乗り込んで知床のホテルに向かったが、
「明日は雨が降りそうだから、今日のうちに知床観光船に乗ろうよ。」
と母が、無理やり誘ってきた。私と父は、ホテルでゆっくりしたかった。しぶしぶ付き合った。一時間半という長い時間の船に乗っていた私は、途中で飽きてきて父と手遊びをして過ごした。
 三日目は、まず、知床五湖に向かった。途中で北きつねやしかを見つけた。世界自然遺産に選ばれただけあるなと思った。五つの湖を全部回るには、一時間半ほど歩かなければならない。ヒグマに注意して歩いていると、ダダダダダという足音が後ろから聞こえてきた。ヒグマかと思って心臓がばくばくしてきた。隣で母が、悲鳴をあげていた。ところが、父がヒグマになりきっておどしてきたのだった。おもしろい父である。母が歩くことに弱音を吐いたので、一湖と二湖を見て帰ってきた。天気も心配だったので、先を急ぐことにした。
 知床峠を通って、トドワラに着いた。母は、
「1キロも歩くの。帰ろうよ。」
とまた、弱音を吐いた。しかし私は、馬の耳に念仏のように、とっとことっとこ歩き出した。途中で私を呼ぶ声は聞こえたが歩き続けた。結局、両親は、私を呼び止めることができず、目的地までついてきた。もし、言うことを聞いて戻っていたら、目的地にはいけなかったであろう。《題材》帰りも歩きたかったけれど、母のために馬車に乗った。
 雨が降ってきたので、直接阿寒湖温泉のホテルに向かった。早めにチェックインしたので、ゆっくり温泉に入り、早めの夕食をとった。
 四日目は、夕張まで樹海ロードのドライブを楽しんだ。夕張に着いて、メロンを買って、祖父母に送った。焼きとうもろこしとアイスとじゃがバタを買って昼食にした。
 夕張は昔、炭鉱の町だったそうだ。そこで、石炭の歴史村に行った。ライトのついたヘルメットをかぶり、炭鉱探検をした。真っ暗なので、父を先に行かせた。母が、
「こんな暗いところで炭鉱の仕事をしたのね。大変だったわね。」
と話しかけてきたので、相づちを打った。資料館には、石油は41年、石炭は192年でなくなると書いてあった。私は石炭をうまく利用すればいいと思った。
 最後に、『幸福の黄色いハンカチ』の昔の映画の撮影現場を見に行った。撮影現場だけでなく、町中の家々に三角にはられたロープに黄色いハンカチが掲げられていたので、びっくりした。撮影現場の中に入ると、願い事が書かれた黄色い紙が壁中にはられていたので、これも驚いた。私は、『夢がかないますように。』と書いてはってきた。
 日本航空の飛行機で帰ってきた。自家用車で家に帰るとき、私は眠ってしまった。三泊四日の北海道旅行があっという間に終わってしまった。冬休みは、沖縄に行きたいな。《主題》

   講評   sugi

 夏休みの最後に、家族で出かけた北海道旅行。とても楽しみにしていたことでしょう。この作文は、『旅行記』という感じの仕上がりになったね。出かけた先々での景色やできごとを、くわしくきっちりと書いてくれて、えとわちゃんがどんなところを楽しんできたのかよく分かるし、読んでいる人も北海道に行ったつもりになれるような作文です。えとわちゃんの観察力、記憶力が光っているところがたくさんあったよ。
 それにしても、えとわちゃんのお父さんは本当に楽しいね。網走監獄の看守になりきったり、ヒグマになりきっておどかしたり。お父さんと一緒にいると、毎日が楽しくてあきないだろうなあ。ただ旅行の記録ではなく、お父さんのおもしろいエピソードをところどころに入れると、自分らしい作文に仕上がるね。また、自分で考えた俳句を入れたり、ことわざを入れたり、ところどころに工夫が見られて、いっそう作文がグレードアップしたようだね。
 これだけの字数の作文ですが、一日目から四日目までできごとの順に書いてよくまとまっています。できごとを順に書くのではなく中心を決めてくわしく書くという方法もあるので、それは別の機会にまた練習しましょう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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