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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   価値   ルフィ

 現代の社会では、過去皆に信じられていた階層秩序的な構造・・・つまりよいもの、悪いものを秩序付ける絶対的な価値観が信頼を失いつつある。唯一それらのポストに立てそうな受験勉強という価値も、ただ単に「得」だからというだけの理由で残っているに過ぎないのだ。こんな現代だからこそ、私は社会を統括する大きな価値がないことに問題があると主張する。
 そして、その原因として第一に挙げられるのが、過去絶対的な価値を誇っていた欧米に追いつけ追い越せということを、日本の社会がひとまずクリアしてしまったことだ。何か一つでも、信じるものがある人間は強い。過去何人もの人が、先の「欧米に追いつけ追い越せ」という言葉に励まされ、仕事に精を出したのだろう。そしてそれが、現代のこの社会を作り上げてきたのだ。私も、バスケットをやっているのだが、試合で勝つことに絶対的な価値を見出しているからこそつらい練習にも耐えられる。といっても、たまに音を上げたくもなるが(笑)と、このように何か目標があるとき、人は盲目的にそこへ向かって邁進することができる。しかし、その境地へ達してしまった場合人はどうなるのだろうか。多くの場合、気が抜けてしまい、放心したような、ボーっとしてしまう一種の無気力状態へと一時期陥ってしまうだろう。そして、その時期から脱却できていないのが現代の社会なのだと思う。
 また、第二の原因として社会全体に大きな価値をいかがわしく思う風潮があることが挙げられる。これは、動物園のサル山を見ると分かりやすい。サル山には、ご存知のとおりボスがいるが、このボスが圧倒的強さを誇っており、周りのサルたちもこれを信頼している間はサルたちも機敏に動く。だが、ボスが衰え、勢力争いが始まりだすと、それに加われない弱いサルたちは、たいてい怠けだしたり、お互いに喧嘩をしたりする。ここで、サル山を世間、ボスを社会における絶対的な価値、サルを私たち市井の人々と考えてみよう。何か大きなものが存在し、覇権を握っているときは私たちもそれに付き従い、一心不乱に何かに打ち込むことができる。だが、それが徐々に立場を追われだすと、私たちの行為の核をなしているものが一挙に崩れ、何をどうすべきかが分からなくなる。すると、世相は不安定になり、「今」のような時代が訪れてしまうのだ。
 確かに、たった一つの大きな価値に縛られた社会は不自由なのかもしれない。だが、逆に現代のように大いなる価値が存在せず、何を信じ、何を貫けばよいか分からない時代も、人間にとって不幸である。「真の価値とは、それ自体が輝いているのではなく、それを求める人間に魅力を与えるものである。」何かを信じ、それを求める人間は美しい。現代という時代が醜く映るのならば、それは価値の不在から来ているのだ。

   講評   kira


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