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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   経済的豊かさ   A.L

 経済活動は、人間を飢えや病苦や長時間労働から解放するためのものであり、経済が発展すればするほど、ゆとりある福祉社会が実現されるはずのものであった。それなのに、日本では金持ちになればなるほど、逆である。効率を競う社会の制度は、個人の行動と連鎖的に反応しあっているから、やがては生活も教育も福祉も、経済価値を求める効率社会の歯車に巻き込まれるようになる。私は、日本は確かに豊かではあるが、金、経済的価値観ばかりが重視されるのは問題だと思う。
 その原因は、日本が資本主義、民主主義を導入して欧米化を目指し、欧米を追い越すことを目標としてきたことである。特に、アメリカである。ヨーロッパというのは福祉型社会で、社会保障は高負担、高福祉として知られる。一方、アメリカは自己責任の比重が多く、貧富の差が激しい。先日のハリケーンでも、貧困層の人々が情報を得られなかったり、逃げる手段がなかったりして多くの人が犠牲になった。
 また、出るくいは打たれるというような日本の横並び意識も原因である。所得倍増計画に象徴されるように、政府の方針が国民に浸透して経済成長が進んだ。しかも、年功序列制によりみな一律に昇進、昇給があった。有能、無能に関わらず、である。そのために、適任でないものがある地位にいたり、ある任に適任なのに起用されなかったりしている。所謂、過労というのも合わない仕事に就いて、仕事がはかどらないというのもあるのではないか。
 確かに、日本の発展というのは高度経済成長、経済的豊かさに支えられていた。しかし、「金のために生きるのではなく、楽しむために生きるのである」というように、経済的豊かさばかり追求するのではなく、楽しく生きていくべきだと思う。

   講評   kira

 ALくん、こんにちは。「金のために生きるのではなく、楽しむために生きるのである」いい言葉ですねえ。しかし、これを生真面目な日本人たちは否定するのですよね。楽しむことを、イコール怠惰だと感じている。もしくは、脱線、規格外。ゆとりのある人生といったマニュアルみたいな読本がもてはやされるのも、そのせいでしょうか。
 欧米から取り入れた民主主義と資本主義。民主主義は「平等」をうたい、資本主義は「自由」をうたう。自由と平等は幸せのおまじないのように唱えられてきました。現実は、「自由」の結果として「不平等」つまり貧富の差が広がり、社会の仕組みのシワ寄せが見えるようになってきました。経済活動の追究が弱肉強食の競争社会を生み出し、頑張れば頑張るほどむなしいといった焦燥が起こっています。
 国際社会の中では今後も経済的な競争は避けられないでしょう。しかし国の内側に向かっては、立ち止まって幸福と言うものを考える視点が必要です。楽しみ方を知らないほど忙しいことを不幸と思えるようになりたいものです。
  

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