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　　　科学の使いすぎに注意！　　　スウィートポテト

　「ドラえもん」は、「鉄腕アトム」や「鉄人２８号」に代表される、スーパーヒーロー型とは全く異なったタイプのロボットとして誕生した、読者の日常生活に密着して愛されるタイプのロボットなのである。だが、「ドラえもん」がヒーローたり得るゆえんは、「四次元ポケット」にある。これが「ドラえもん」の人気の秘密であることはいまさら言うまでもない。しかし、「ドラえもん」には見逃してはいけないもうひとつの重要な視点があるべきだと思うのだ。子供のみならず大人にまで夢を与えた。本当にそうであろうか。私の知る限りでは「ドラえもん」の夢は一度もかなわなかった。次から次へと「四次元ポケット」から出てくる奇想天外な科学の小道具は、困難を解決してくれるどころか、勝手に暴れだし、思いがけない新たな問題を引き起こしてしまうのが常である。現代の日常生活は科学文明を過信するまり、科学に対する基本的な姿勢を忘れ去ってしまっている。それはまるで「のび太」の生活そのものである。楽することを求めるあまり、科学のなんたるかを忘れて暮らす現代生活のあり方に浴びせた作者の皮肉な笑い。「ドラえもん」の真の面白さは、我々の日常への痛烈な風刺にあったのだ。私は、科学文明を過信しすぎないことが大切だと思う。
　第一の理由は、人間がひ弱になってしまうからだ。科学ばかりに頼りすぎてしまうと、工夫がなくなり、その上体が弱くなってしまう。例えば、身近なものなら、エアコン。わたしの家には、二つ、エアコンのある部屋がある。ひとつは寝室にあって、寝る直前にかけるが、もうひとつの部屋のほうは、暑いときに、
　ごぉぉぉぉ〜ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜
とエアコンをつける。こうすれば、涼しく快適に過ごせる。しかし、暑い夏、暑いところから急に涼しいところに入ったらきっと風邪を引く。それよりも、エアコンなんかつけないで、薄着になったり、ぬれたタオルを首に巻くとかした方が、工夫もできるし、体も弱くならないだろう。また、オリンピック選手などが使う、ドーピング剤も一緒だ。科学の力を使って、無理やり勝とうとする。どうせばれてしまうのなら、実力で勝ったほうが、達成感もあってよいだろう。
　第二の理由は、科学文明を過信すると、自然を破壊してしまったり、公害を起こしてしまったりするからだ。環境庁が調べた世界の二酸化炭素排出量の割合（１９９４年）がでは、一位はアメリカ合衆国の２２．４％。そして、日本は四位で、４．９％だ。しかし、もっと割合が全体的に増えていると思う。二酸化炭素は、「地球温暖化」の原因とも言える。また工場などは、公害を起こす原因にもなってしまう。そうなってくると、科学のおかげで、人間もが危なくなってくる。
　確かに、科学の発達は、人類の生活を快適にした。作文もパソコンで書くので、ずいぶん楽になった。しかし、「私たちの幸福が、ほかの人びとの不幸に支えられているのであってはならない。」と言う名言があるように、科学がみんなが幸福になれるものならよい。だから私は、科学文明を過信しすぎないことが大切だと思った。

　　　講評　　　takeko