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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   支え合い   ミュウ

 どこにも、全てにおいて万能な人や物はない。いくらスポーツ万能でも、他の面に欠陥があるかもしれないのだ。品物でも同じことがいえる。デジタルとアナログだと分かりやすい。デジタル時計は数字で表示され、アナログ時計は分針や秒針によって表される。前者は正確だが、実感が湧かない。それに対し、後者は正確ではないものの、一目見ただけで認識できる。どちらにも一長一短がある。しかし、それらを少しでも克服しようと、デジタルとアナログが組み合わさったハイブリッド型の時計も発明されたようだ。これと同様に、人と人も支え合っている。欠如している箇所を補充しながら生きているのである。私が通う塾の先生は、以前「大人しい人同士やうるさい人同士では、上手く噛み合わない」と話していた。つまり、似た者同士だとお互いを補うことや支えることができないのだ。私も、互いに支えあっていきたい。
 そのための第一の方法は、相手のことを理解することだ。無知の状態で仲良くすることはできない。一緒にいるだけでも、相手の長所や短所を発見できる。逆に、相手も自分の良い点悪い点を見つけてくれる。そこから初めて、支え合うことがスタートするのだ。私は小学6年の時に洋上学習に参加し、中学2年では青少年海外派遣事業に参加した。その両方でまず体験したのは、友人がいない、または少数しかいないという寂しさだ。けれども、話をしたり、共に行動をしたりしながら、相手の性格を把握していった。親しくなるまでが苦労するのだが、それから残りの日数は協力し合えるものである。きっと中学校に入学してからや、クラス変えという場面で味わっている人が多いはずだ。だが、この経験の繰り返しで、自分と気が合うタイプ、合わないタイプが分かってくるだろう。
 第二の方法は、自分は一人なのだ、とマイナス思考でいるのではなく、プラス思考でいくことだ。三人寄れば文殊の知恵、自分一人の意見だけで活動するのは無理がある。周囲の人々からアドバイスを貰うことが大抵だ。それは、今も昔も変わらない。例えば、戦国時代では家来達と一緒に作戦を考えたに違いない。現代でも、不安になったら周りの人に質問することが多い。また、ORANGE RANGEの「ラヴ・パレード」という歌に「誰かがいるから強くなっていく 孤独だとしても そして今 僕は誰かのためにいるんだ」という歌詞がある。自分は誰かのためにいて、お互いが存在していることによって、強くなっていく。そんな意味が伝わってくる。前向きに進んでいけば支え合える相手を新たに発見でき、改めて、支えあっているということを身に染みて感じるだろう。
 確かに、他人を邪魔に感じる時もあるかもしれない。しかし、その人がいなければ、今の自分はなかったと考えても過言ではない。そこは冷静に受け止めるべきだ。また、「始めることも大切だが、やり遂げることの方が、もっと大切である。」という名言がある。この言葉のように、私は相手を理解することから始め、支え合えるような中になれるように努力していきたい。

   講評   nara

 デジタル・アナログという性質を、人間の個性に置き換えて論を展開したのだね。おもしろい! このように、長文そのものに用いられている題材が何かの比喩であると考えて、自分の土俵(自分が論じやすいもの)に引き込むと、実感のこもった文章になるね。
 デジタル・アナログのような一見対立し、他方を否定するようなものは、他にもたくさんあるね。光と影・生と死・白と黒……実は、それぞれがお互いを引き立てあっているということは、今までにもいろいろなテーマで考えてきたことだ。今回も、互いの存在が、自己も相対するものも結果的に輝かせるということになるわけだね。
 第2の方法がいい。マイナス思考・減点主義は日本人の得意とするところ(苦笑)だけれど、それに偏りすぎてしまったのかもね。前述の論からすれば、もちろんプラス思考・加点主義の相対としてマイナス思考・減点主義にも長所があるべきだけれど、行き過ぎてしまうと、その長所が見えなくなる。正当にマイナス思考・減点主義のよさを評価するためにも、プラス思考でいく必要があると考えることもできそうだ。
 相手を理解するということは、結果的に自分を理解してもらうことにつながるのだね。その指摘がまとめの段落に入ると、なおよかったと思うよ。相互理解が進めば、よりよい何かが生まれるきっかけになるものね。

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