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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   清書 スポーツの勝ち負け   えにほ

 「また相撲の中継だ。」父がテレビの前に座って観ている。幼い頃、日曜の夕方,遊びから帰ってきた時のおなじみの家の状況。日が暮れる頃、相撲の解説の人の声や力士を紹介する行司の言い回しがテレビから流れて来る。調子良く聴こえる 寄せ太鼓の音も良く覚えている。相撲にまつわる音には何となく郷愁を覚える。しかしスポーツとしての相撲は、さっぱり分からなかったし興味もなかった。太った力士が向き合って、『ハッキヨイノコッタ』とやるわけだが,いったい何がどうなっているのかさっぱり分からない。いつも短い間にすぐ対戦は終わってしまう。相撲が面白いと思いだしたのは、それから大分経ってからである。トロントに住んでいた時に、CBC(カナダ放送)で毎晩NHKの英語版のニュースをやっていた時があり、相撲のハイライトを観る事ができた。その時一番気に入っていた力士が舞ノ海。比較的小さな体で大きな力士の後ろに飛んだり、こまめに体を動かし、それで相手の大力士を負かした時は拍手大喝采。ほんとに面白い相撲を見せてくれる力士だった。しかし、残念ながら、他の力士より小さい彼の体では、最高ランクを小結以上にする事はできなかった。相撲の面白さは、いろんな体型と性格、技を持った力士達が戦った時の意外性だと思う。必死に立ち向かっても、足てすくわれたり,すかされたり、自分の重さで土俵に叩きつけられたりするのは相撲にまつわるお馴染みの情景である。横綱格の力士だけではどうも面白く無い面がある。それでは、舞ノ海の場合、どんな目的で相撲界に入ってきたのだろうか? 身長170と云う小柄な体でやはり横綱を目指したのだろうか?

 確かにスポーツである以上勝ち負けがつきものである。目的は勝てばよいのである。そんなあたり前の事実に改めて知らされた時があった。それは、テニスに熱を上げていた時であった。日本で始めたので、まず長い間ラリーができて,サーブを決め、そのためにはフォームを直してと、一生懸命に取り組んでいた。トロントに引っ越ししてから、当然喜んでテニスクラブに入った。まずラウンドロビンにすすんで参加し、テニス相手をみつけやっていこうと云う計画だった。その後割と簡単に、今週XX曜日と云う約束で初対面の女性とテニスマッチの約束を交わし、これはとんとん拍子と喜んだ。実際彼女と試合をしてみると,全くの期待はずれであった。ファームなどどんなに悪くてもおかまいなし。勝つ事のみの彼女はいろんな所にボールを打ってくる。私は呆気にとられ,『こんなはずではなかった』と心の中で呟き、苦戦であった。私は日本式のテニスレッスンに全く慣れすぎていたのである。試合である以上、勝てばいいのである、と云う当たり前の事を思い知らされた。

 しかし、自分の体を使う以上,リズムに乗り、見た目にもハッとする,自分でも楽しい動き方を身につけたいと思う。どのスポーツ選手やスターはそのルールとゲームの枠組に則って素晴らしい人間の体の動きを見せてくれる。勿論、型だけにとらわれ,本来の勝ち負けを伴うゲームの面白さなしでは、スポーツをやっている事に成らないだろう。それに,理想やマニュワルにある型だけにとらわれ自分に実際あった,自分らしいスポーツとの繋がりが見いだせない場合は悲惨である。特に,自分の体の造りに気づかず,理想の型を求めて努力ばかりしてもあまり良い結果がでそうにない。

 冒頭の例に挙げた舞ノ海も、現在野球界で注目されているIchiroにしても、相撲の、そして野球の常識を超え,自分の体と造りをよく知りながら,効率よく又意外なテクニックの展開に成功してる。昔野球のバッターなら王選手の片足上げを誰もが真似した時があった。そんな流行の常識にとらわれず、あくまで自分の体に忠実に、一番野球のゲームに効果のあるテクニックをものにしていったのが、Ichiroである。「理想に到達するための手段は又,理想への到達を阻む障害でもある」と云う名言があるように、スポーツをする上で重要な事は、最終的には、自己知識である。

   講評   unagi


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