対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日3224 今日716 合計56276
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   真似と発展   ミュウ

 日本人は、欧米諸国から「物真似上手」という批判を受けてきた。確かに、飛鳥・奈良時代には中国の文化を、そして明治維新頃には西洋文化を積極的に取り入れてきた。しかし、真似で終わったということはない。平安時代には中国の影響が薄い国風文化が発達し、文明開化の中でも、日本の文化もそれなりに成立した。つまり、日本人は昔から独創性を発揮していたのである。もちろん、真似をするだけでは、「物真似上手」と評価されても無理はない。私は、真似は大切だがそれだけで終わらせず、そこからまた発展させていくような生き方をしたい。
 そのための第一の方法は、まず基礎をしっかりと身につけることだ。数学でも、基本的なことを知らなければ、応用問題を解くのは難しい。私はソフトテニス部に所属していたが、部員になったら、まず先輩の素振りを真似る。初心者なのに、最初から上手に打てる人なんて滅多にいない。ラケットの持ち方、体重移動の仕方、腕の振り方、腰の動かし方など、基礎的なことはしっかりと身につける。そして、ボールに慣れるのと、先輩の練習のためというのを兼ねて、ボール拾いをする。また、ラケットでボールを地面につく練習をする前に、手のひらでボールを地面につく練習もする。これらを消化・吸収して初めて、打ち方に独創性が表れ、修正したり、もっと発展的なことを取り入れたりするのである。
 第二の方法は、どのようにしたら発展できるか、と考えることだ。田臥勇太選手は、小柄ながらも日本人初のNBAプレーヤーだ。どんな方法で背が低いことをカバーしたのは分からないが、それこそ独創である。江戸時代には、歌舞伎や人形浄瑠璃という演劇や芸能が広まった。もっとも、前者は出雲の阿国が始めた「かぶき踊り」がもとであり、後者は浄瑠璃に三味線の伴奏や人形が加わって発展したものだ。どうしたら弱点を克服できるか、どうしたらもっと人々に馴染み深いものになるか、と思えば、過去の人々ができたように、私達もきっとできるだろう。つまり、常にプラス思考で、そしてそれの根本である思考力をフル活用する必要があるのだ。
 確かに、発展まで進まなくても、様々な基本的なことに取り組むことも良い案かもしれない。しかし、二兎追うものは一兎をも得ず、目が回って基礎も中途半端になってしまう。それならば、一つの物事に深く取り組むほうが効率的だ。しかも、日本のオリジナリティーは外国に認められつつある。この勢いに乗れば、日本が「物真似上手」と批判されない日も遠くなくなるはずだ。「記録は破られるためにある。」という名言のように、基礎から習い、破り、独自のものができあがるように、日々努力していきたい。

   講評   nara

 ミュウちゃんは今は習字はお休みしているのかな? 書の大家といわれている人の字が、子どもが書いたもののように思えることがよくある。ただ、それは、子どもが書いた字とは、似ていても全く違うものだ。芸術の世界でも、よく今回のテーマに絡めた話が出てくるね。
 第1段落:「文明開化の中でも、日本の文化もそれなりに成立した。」直前に国風文化の説明があるのに対し、「それなりに」という部分はぼやけているね。文明開化・明治期のころの日本文化とは、具体的にどういうものを指しているのかな。これは、最終段落の「日本のオリジナリティーは外国に認められつつある。」というところも同様。外国に認められつつあるのは、例えばどういうものか書いておくとわかりやすいね。
 第2・3段落:これはどちらもわかりやすい具体例があるので、いいね。スポーツだけに関わらず、演劇・芸能についても述べてあるのがいい。とことん「序」を突き詰めないと、その先の「破」には行けないということだろうね。できる限りの模倣をやり尽くしても、望むものが手に入らない。では何をなすべきか。……田臥選手の心にも、そういう思いが生まれたに違いない。
 最終段落:「目が回って基礎も中途半端」ここがややわかりにくいかな。日本の教育制度に目を向けると、オリジナリティーよりも、広く浅く知識を身につけることが重視されているようなところがあるね。専門性・オリジナリティーの域に入る前に、適性を見るために幅広い分野に触れることは必要だけれど、だからといって、オリジナリティーを封じるということが得策ではないはずだ。この点をもう少し説明できると、もっとわかりやすくのではないかな。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)