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　　　サービス業　　　こめ

　最近、ビジネスの種類は飛躍的に増加しており、これからも増加すると言って良い。しかし、そうしたビジネスの中には、生活の仕組みを変えてしまうようなものもある。そうした、人間と自然との関係を、販売や消費の関係に置き換えてしまうばかりの社会は問題である。
　このような問題が発生した原因としては、まず、あらゆる物事を商品化してしまう資本主義の社会が出来上がってしまったことである。大昔は、自給自足の暮らしをしていた。つまりは、どのようなことであってもサービスというものを受けずに行って、それで生活ができていた。しかし、現在の社会を見ると、自給自足の暮らしなど存在しないに等しい。自分の力だけで必要物資を賄うことは不可能である。そのために、商業などが発達し、また、様々なサービス業ができた。それが、初めのうちは物を売るとか、その程度であったが、現在は、例えば金を払って介護を受けたりする人が出たり、金を払って結婚相手を探したりと、そのようなことができるようになっている。
　また、メディアが発達したことも、原因である。つまり、コマーシャルなどの広告業が盛んになったことで、それに人々が頼るようになってしまったのだ。何らかの形で広告を出している企業は、そこそこの利益があるはずだ。しかし、広告を出していない企業はどうであろう。殆どの場合、広告を出している企業よりも客の入りも少ないし、利益も上がらない。今や、広告を出さないことは商売にならないのである。だから、広告をどう面白くするか、そこに勝負の分かれ目があるとも言える。だが、そうしたことによって現実では有り得ないようなことを広告に乗せてしまうことは、あまり良くない。広告の有り得ない内容を本気にする人はまず居ないだろうが、実際に商品を買ったところで広告と同じ現象が起こるわけではない。
　確かに、現在の社会はサービス業などがないと生活できなくなっている。しかし、サービス業は、完全に頼るためにあるのではなく、サービスを受けないといけない時に利用するものである。サービス業は、人間や自然との関係を、販売や消費の関係に置き換える、代表的なものである。人間と自然との関係を、販売や消費の関係に置き換えてしまうばかりの社会は問題である。

　　　講評　　　kamono

　販売や消費の関係に置き換えてしまうばかりの社会、その実例として、コマーシャルなどの広告業を持ってきたのは、秀逸でした。＜人々はそれに頼るようになってしまい……、何らかの形で広告を出している企業は、そこそこの利益を上げる……、しかし広告を出していない企業は、出している企業よりも客の入りも少ない……、利益も上がらない。今や広告を出さないことは商売にならないのである。＞この指摘は、とてもいいですね。だから、広告をどう面白くするか、そこが勝負の分かれ目になる、ということになる、まったく、その通りですね。しっかりした指摘になりました。結果として、現実では有り得ないようなことを広告に乗せてしまい……、広告の有り得ない内容を本気にしてしまって、実際に、さまざまなトラブルを引き起こしていますね。広告を出さないことには商売にならない時代だからですね。さて、結び、＜現在の社会はサービス業などがないと生活できなくなっている。……サービス業は、人間や自然との関係を、販売や消費の関係に置き換える、代表的なものである。販売や消費の関係に置き換えてしまうばかりの社会は問題……＞でいいのですが、コマーシャルなどの広告業という、とてもよい指摘をしたのですから、結びに、これを具体的にこの言葉で出して、締めたほうがよかったですね。