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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新発明   A.L

 特許制度とは技術を「公開」した代償として、発明者に「独占権」を与えようとするものである。歴史上、われわれからオリジナリティを奪い取った典型的な事例として、徳川幕府の「新規御法度」が引き合いに出される。新規のことは全て幕府に対する反逆と決め付けられた。このような変化を嫌う状況では、「発明の公開」を条件に「独占権」を与えようという特許の思想は育ちようもない。私は、日本には安定志向の風土があり、新発明、新開発を妨げてきたのは問題だと思う。
 その原因は日本には、出る杭は打たれるというような横並び意識があるからだ。多くの日本人が他人との差異を嫌う。他の人と違う人や、違う事をしようとする人がいるとそれを押さえ込もうとしたり、排除したりする。これでは、新しいものはつくれない。
 また、現在の日本社会は規制が多く、完全な自由競争の社会ではないからだ。例えば、農業や銀行などである。日本は農家を保護するために、政府が一度米を高い値段で買い取ってから、市場に流通させていた。やがて、売値の方が下がったため、政府は買取りをやめて、少しずつ農業にも競争原理を取り入れた。ところが、長く続いた政府の保護政策が、農家の生産コスト削減を怠らせ、未だにコストの高い零細農家が多い。そのため、国内の農家を守るために高い関税で外国産の農産物を食い止めたり、助成金をばら撒いたりして農家の破産を防いでいる。なお、大規模な農家の方が零細農家よりも生産コストが半分近くですむと言われるため、政府は助成金の見直しを進め、大規模な農家にのみ助成金を支給しようとしている。銀行もまた同様に、戦後は護送船団といわれて政府の保護を受けていた。そのため、外資との競争もなく、国内の競争も強いものではなかった。また、危機意識も低かったため土地を担保にして金を融資するという失態を演じ、バブル崩壊後、下落した地価によって大量の不良債権を生み出し、長い不況の一因になったとされる。
 初期のコンピュータ開発でフォン・ノイマンが言ったように、コンピュータの基本的な部分を特許によって制限してしまうと、販売ができなくなるため他の研究者が資金援助を受けられず、研究、開発をすることができなくなって、逆に競争原理が働かなくなってしまう。しかし、「特許とは、新発明の金儲けの手段ではなく、さらなる進歩への手段である」というように、競争原理の中に入り日本は旧来の考えを改め、異色の者を認めて新開発、新発明を奨励すべきである。

   講評   kira


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