対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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行列=長蛇 えすく
今日の都市生活に欠かせない行列という社会現象がある。行列は用件をひとつずつかたずけるという近代的事務処理の発想に根ざしている。このようにすぐれて近代的な慣行である行列には独特の論理と構造がある。また、客がひとりのあいだは、待つ側の客と待たせる側の店員や係員との心理的関係だけが問題だが、客がふたり以上になって列ができると、そこに待つ者同士の社会的関係の問題が加わってくる。行列について一書をあらわしたアメリカの社会学者、B・シュワルツによれば、行列に並ぶ不快感は、待たされる側の待たせる側に対する無力感や、その間ほかの有益なことができるはずだという焦燥感とともに、知らない人間といっしょにいることの不安感に由来するとのべている。民主主義には一定の均質性が必要だが、行列を見ていると、工業化社会が近代民主主義の母胎であることがよくわかる。僕は行列に賛成だ。
その理由は、ルールを守ることによって物事がスムーズに進むからだ。僕が通ってる中学校でも、ある生徒が、ルールを破って問題を起こすと授業がつぶれる。前はガムをかんでて怒られてた。それとネクタイをのばしたり第一ボタンが開いてたりすると授業がつぶれる。だからルールを守ればスムーズに授業が進む。
二つ目の理由は、ルールを守らないと混乱が起こるからだ。行列を作らないと大混乱になる。1998年のPHPのデータでは日本の年間海外旅行者数は1500万人を突破した。海外からの日本旅行者は300万人台だ。こんな人数で行列がなかったらみんな勝手な行動をとって大混乱になるわけである。
確かに、行列は長いしめんどくさいし暑苦しい。しかし、「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、この行列という蛇のような列にも耐えなくてはならないのだ。
講評 nanako
普段私たちは、別段何の疑問も持たずに行列を作る機会は多いと思います。でもこの長文を読むと、国によって行列に対する考え方がずいぶん違うようだね。先生はこの話、とてもおもしろいと思いました。さて、遼太郎君は行列というものについてどう考えたのかな?
【第一段落】要約は、前回に比べてかなり簡潔にまとめられました。目標の300字以内まであと一息だね。内容的には、とてもいいと思いますよ。
【第二段落】理由を裏付けるいい体験実例が入ったね。一人がルールを守らないことで、全体に迷惑がかかるというのは、学校生活においてもたくさんあるのだね。つぶれた授業の代わりにその時間がどんな内容になり、遼太郎君を含め、みんなはそれをどう思っているのだろう? こんなふうに一つの体験実例について話を掘り下げていこう。
【第三段落】海外旅行に行ったことがある遼太郎君は、国外でも行列を作った経験があるのではないかな? 夏休みや年末年始などは、空港も海外への旅行者で大混雑するね。そんなときに「行列」は、大いに役に立っているわけだね。
【第四段落】「行列は長いしめんどくさいし暑苦しい。」と、これはまた、ずいぶん行列の悪いところがみつかったね。(笑)長い行列に並ばされて、かなり辛い思いをしたことがあるのかな。
この名言を使うなら「この行列という蛇のような列にも耐えなくてはならないのだ。」の前に、「行列の持つ良い面を理解し」のような言葉を補っておくといいよ。
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