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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   サトシワールド 序章 復活の時 第1章 異変の時   10人隊隊長

人と悪魔の未来をかけて……。
古の時代。人と悪魔は戦っていた。戦う理由を忘れるほど、人と悪魔は戦いを続けた。人は自分の中に存在する霊力を使い、魔族はその代の魔王によって得た暗黒の力で戦っていた。戦いは、昼に行われ、夜になると、力を貰うため、魔族は消えていった。戦いは何代にも渡って続いた。
そして、ついに魔王バルバの代に人は魔族に打ち勝った。魔王バルバは自分の力を過信し過ぎたため、ついに人の前に敗れ去り、地下深くに封印されてしまった。
その後時は流れ。
西暦2998年2月7日。地下深くに封印されていた魔族が目覚め始めたのだった。何年にも渡り、日本のある一族が封印を繰り返してきたが、ついにその血筋が途切れ様としていたからである。
地下深くでは、封印された当時の魔王バルバが動き始めたのだった。
「我が下部達よ。我らの復活の時も近い。古の時代。我らを地下に封印した者どもに復讐するときがきた。行け我が下部達よ。地上を支配するのはこの私だ。聖戦だー」
魔王バルバの言葉が終わり、バルバの力によって開いた時空の門から、何億もの悪魔が飛び出していった。
人と悪魔の未来をかけて……。

1998年4月4日。ニューヨーク。
昼は活気のあるニューヨークの港街。
しかし、今は夜。何事も無いかのように静まりかえっている海上には、巡査艇が3隻。波を分けるように進んでいた。その近くには、不思議な門があった。地獄門のようで真っ黒に塗られ、飾り気のない門だったが、そこからは恐ろしい顔つきをした鬼が出てこようとしていた。
また、巡査艇には船にある名前がなく、門の鬼に向けて、奇妙な格好をしている人が、銃を撃ち、日本の陰陽師の格好をした人が光る紙を投げ、キリスト教の神父の格好をした人が不思議な矢を、放っていることだった。
「我ここにこい願わん。我が引導の盟約に従い、この弾に霊力を宿らせろ。出でよ。炎の精霊バクヒューザ」
「おんからきりきりおんからきりきり。我の願いを聞きたもえ。阿弥陀如来。かの者の自由を奪い、浄化の炎で焼き払いたまえ」
「キリストの御名において我の思いを聞き、かの者に天の聖なる矢を落としたまえ」
三つの不思議な光を帯びたものが、海面に落ちた。
その途端。海面が激しい光を帯び、激しい絶叫が辺りに響いた。
「ぎゃああああああああああああああああ」
光は消え、声もやんだ。辺りにはまた静けさが戻った。
巡査艇の上では、先ほどの三人が同じ呪文を0.1秒のリズムの狂いもなく、唱えていた。
「我らが力をここに集め、異界(霊界)への道を閉じたもえ」
すると門がひとりでに閉じ、その門は何事も無かったかのように海に沈んでいったのだった。
「たくっ。こんな事で何で俺達が呼ばれなきゃ行けねえんだよ」
と、戦闘服を着た男が漏らす。
「口を慎めルーク。全員仕事があるんだから俺らが行かなきゃならないのは当然だろう」
と、神父の格好をした男がルークと呼んだ男に対して、厳しい視線を向ける。
「ルークもフィルンもやめなよ。取り合えず仕事は終わったんだし」
と、ゆるい口調でのほほんとしている陰陽師が言った。
「お前はぬるいぞ藤沢。第一俺らは第七遊撃隊だろうが。何で第九遊撃隊の敷地にまで来て仕事をしなくちゃならない」
と、ルークといわれた男が叫ぶ。
それに反論するかのようにフィルンが、
「さっきから言っているだろうが。人数が足りないから俺達がこうして派遣されてるんじゃないか。自分がやっている仕事に責任を持ったらどうだ」
と、しばしにらみ合う事3分。両者の間で激しく火花が散っているところに、いきなり藤沢が、
「ここでこんなことしててもらちがあかないんだから一旦体調のところに報告に戻ろうよ。なっ? 」
と、その場の雰囲気を一気に和ませるように言った。
そして、3隻の巡査艇は夜の闇に消えるかのようにゆっくりと電気を消し、その場から消えたのだった。
霊界特殊部隊 アメリカ合衆国第3司令部。
一見ただのオフィスビルに見えるこのビルも、地下深くには、霊界特殊部隊の基地があるのだった。
「ただいま戻りました」
と、見事に敬礼をしてみせる、ルーク、フィルン、藤沢の姿がある一室の部屋の中にあった。家具は置いてなく、比較的狭い部屋に机が1つ置いてあるだけのシンプルな部屋だった。
「戻ったか」
と、執務用の椅子に腰掛ける長身の男が柔らかい声で言った。
霊界特殊部隊 第3遊撃隊隊長 野村 真二その人であった。
「首尾の方は? 」
と、早速先ほどの先頭のことに関しての事を切り出した。
「なかなか強い下級の鬼が霊門をくぐってこちらに入ろうとしていました」
「念のため門には3重の封印を書けておきました」
「とゆうか。簡単すぎました。もっときつい仕事無いんですか」
と、フィルン、藤沢の報告をにこにこ聞いていた野村の顔から笑みが消え、その口から短い呪文が発せられていた。
「偉大なる万物のマナよ。この男を束縛せよ」
その瞬間。ルークの腕が後ろで結ばれ。ルークはその場に倒れこんだ。
「なっ!隊長何を? 」
と、その場にいた全員が驚きの表情をあらわしていた。
そんな様子に気を留めることなく真二はルークに歩み寄り、足で顔を踏み潰し、
「俺達がやってる仕事が表に出ないのは何でだと思う?俺らの能力は人から軽蔑の目で見られるからなんだよ。それでも世の人の為にとこうゆう事してやってんだ。いくら副隊長だからって図に乗るな。ただでさえ人数が足りないんだ。解」
と、束縛を解いた瞬間。ルークは汗まみれになっていた。
「3人とも退出しろルークは部屋まで連れていってやれ」
と、三人を退出させた真二は、しばらく物思いにふけっていた。
そこに本部から、1通のメールが届いた。
「明朝9時に本部に集合せよ」
それは、人類の存亡を賭けた戦いの幕開けだった。

   講評   kira

 10人隊隊長くん、こんにちは。新しいストーリーの始まりですね。人と悪魔の戦いであり、過去から未来へ時系列も長いものになるんだね。
 切り口の場面は、なんとニューヨーク。そしていきなり悪魔祓いの三種が揃い踏みですね。組織化された力で、鬼の進入を防いでいるのですね。日本の陰陽道が入っているのが興味深いですね。私は単純な日本人なので、西欧の一神教よりも日本の八百万の神々のほうが感覚として受け入れやすいのです。読者層に配慮がありますね。
 
 「…ただでさえ人数が足りないんだ。解」は「解ったか」あたりがぬけ落ちているのかな。


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