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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   方言で「つるべ」(感)   セコイア

 語源が分からなくなると、もとの語の発音や意味に変化を来たすことがある。漢語の場合には、それに使われた漢字が忘れられると、意味用法の転ずることが少なくない。ことに話し言葉では漢字でどう書くかを問題にしないから、意味を支持するものがないためにとかく変化しがちである。言葉の正しさを論ずる時にとかく語源が引き合いに出されるが、語源の通りでは社会情勢の変化のために合わなくなるものが多い。社会は複雑になり、人に心理も単純ではなくなるから、語源の通りであることが正しいということになると、今の現実の社会には合わないことになる。そうかと言って、一々言葉を言いかえるのも大変なことだろう。結局、言葉は各人の言語意識によって動いて行くようである。そして、その言語意識を作り上げるのは、主としてその人の経験、教養、学校で受けた教育である。言葉の正しさの規範意識もそこから生まれ出るようだ。(要約)私は、実態に合わせて言葉を変えていくべきではないと思う。(是非の主題)
 その理由としては第一に、頻繁に言葉を変えると混乱が起こるからだ。たとえば、筆箱。筆箱というのは、本来、その漢字が示すとおり、筆を入れる箱である。しかし、今は筆を入れてくる人はいない。筆箱には、消しゴムや鉛筆や定規を入れるのである。このような理由で、もし筆箱を新たな言葉に変えるならば、ほとんどの言葉も一つ一つ変えないといけないことになる。今の世の中は、昔では考えられないほど技術が進歩している。だから、昔から使われ続けてきた言葉は現在には合わないのだ。このようにして、しょっちゅう言葉を変えていたら、きりがない。(複数の理由一)
 またその理由としては第二に、言葉を使う時は通用性を重視すべきだからだ。現在は常識を超えるぐらい何でも発達している。しかし、それと同時に、その専門の人だけにしか分からない言葉が増えている。もし、言葉をどんどん変化させていくならば、普通の人には理解できないような言葉がたくさん出てくるはずだ。世界人口の動向というデータ(総務庁 平成15年版 高齢社会自書より)には、2000(平成12)年の世界の総人口は60億7058万人であり、2050(62)年には89億1872万人になるのに対し、総人口に占める65歳以上の人の割合(高齢化率)は、1950(昭和25)年の5.2%から2000(平成12)年の6.9%に上昇している、と書かれていた。また、2050(62)年には15.9%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進歩することになるとも記されていた。(データ実例)そのような人たちが増えているということは、そのような人たちにも理解できる言葉にしなければいけないということにもなる。私たちにさえ難しい現代化した言葉は、そのような人たちにはまったく分からないであろう。だから、言葉をすぐ変えてしまうのは問題である。(複数の理由二)
 確かに、実態と言葉が一致している方が分かりやすいという意見もあるだろう。(反対意見への理解)しかし、「自分の心のうちに持っているものは何一つ自分の財産ではない」という名言もあるように、昔から使われ続けてきた言葉を使う方がみんなに通じて、また、混乱も起きないと思う。(名言の引用)だから、私は、言葉を実態に合わせて次々と変えていくのには反対である。(是非の主題)

   講評   unagi

 <第1段落>言葉の変化の背景、言語に対する意識をしっかり理解した上でまとめ上げた要約です。是非の主題:「言葉を変えることには消極的立場を取る」
 
 <第2段落>理由①「混乱」:筆箱の筆を具体例に、実情に合わせて逐一言葉を変えていくことのナンセンスを説く段落です。日進月歩の世界を念頭に置いて意見を述べているところが素晴らしいと思います。
 <第3段落>理由②「通用性」:高齢化率のデータを用いて、急激な言葉の変化に反対する理由その2を記す段落です。新技術の発達が目覚しい社会、すなわち専門家中心の社会というところまで考えを深めています。
   
 <第4段落>反対意見への理解、名言の引用から主題へとスムーズに続いていきます。第2・3段落で説得力のある根拠を述べていますから、最後の意見も読み手の心にスッと落ちていくでしょう。
                    

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