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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   整いすぎないで!   雪女

産業革命以来、機械は人びとの生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものだと思われて来た。だが最近になって、それだけがすべてではないということが、反省されるようになった。経済の高度成長下にあっては、その目的を達成する一番有力な武器は、工学的な発想と工学技術であった。だがいまやその行きすぎがいろいろな面で見直されようとしている。考えてみるとわれわれの生活の大部分は、生物的嗜好でよいわるいを判断していることのほうが多い。新しい生物学は、そうしたあいまいさに対して、一つのよりどころを示す可能性を持つようになった。そして同時に、数量的に割り切れるものだけが科学のすべてではない、ということも教えてくれるようになって来たのである。冷たい無機質の材料で囲まれた舞台装置のようなインテリアよりも、木やもめんのような素朴な材料で囲まれた泥臭さの中に、なにか人間の本質といったものがひそんでいることに気がついたのである。それは理屈ではなくて、生物的嗅覚とでもいったほうがあたっているかも知れない。私は、整った外観よりもなじみやすいことの方が大事だと思う。
 その理由の一つ目は、あまりにも整いすぎているところは、住みにくいからである。例えば、ホテルは、きれいで、きちんとしていて、清潔で、気持ちがいい。しかし、どこか落ち着かない。たまに、一・ニ日泊まるのならかまわない。しかし、そこにずっと住みたいとは思わないだろう。たとえ住んだとしても、使いづらかったり、ストレスがたまったりして、すぐに引っ越してしまうことになるだろう。また、ペットについても一緒である。いとこが室内犬を飼っている。敷いてあるタオルは、たいていくしゃくしゃになっている。犬も、きっちりとしていないほうが、落ち着くのだと思う。わたしのへやも、ごちゃごちゃとしている。たまに(本当にたまに)掃除するのだが、きちんとしすぎると、使いづらくて、すぐに(ほんとうにすぐに)ぐちゃぐちゃになってしまう。(七割ぐらいは、自分の整理がなっていないせいだが;)見た目は悪いが、そのほうが、なんとなく落ち着く。(でも、汚すぎる時は、気疲れしてしまうが・・・・・・;)
 その二つ目の理由は、自然は、人間にとって、欠かせないものである。「ペットOKのマンションの割合」は、1998年には、1.1%だったが、2001年には19.1% 2002年には34.6%(首都圏で販売された約88000戸)と、年々増えている。(データ)それは、何か生きているものと一緒に暮らすことが、いいことだからであろう。特に、マンションの材料は、無機質なものばかりだから、余計に、生き物(ペット)がいたほうが落ち着くようになってくる(だろう)。自然というものは、整いすぎていないものだ。整いすぎているマンションに、ペットを一匹入れる。すると、たちまち整いすぎていない住み慣れやすい住まいが出来ることだろう。
 確かに見た目がきれいであることはいいことだ。ぱっと見たとき、気持ちがいいし、短期間そこで暮らす分には、そちらのほうがいいだろう。しかし、「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である。」という名言があるように、デザインを最優先してしまうと、住みにくい家になってしまう。住む人が住みやすい家を作るのには、住む人が批評したり、考えなければならない。見た目よりも、居心地のよさが大事なのである。だから私は、整った外観よりもなじみやすいことの方が大事だと思った。

   講評   takeko

よくまとめることができましたね。今回は課題の記号を入れるのを忘れてしまいましたね。「要約」は長文の内容をよく理解したまとめになりました。「理由1」ホテル、そして人間だけでなく動物も少々ごちゃごちゃしているほうが住みやすいというおもしろい意見が書けました。ホテルが住みにくい、という文のあとに長文から引用して「それはホテルの部屋が機能的であるために無機質的な内装になっているからだろう」などとつけくわえると、自分の感じ方から一般的な理由にまで広げられて、説得力がでてきます。「理由2」もデータ実例をうまく使って入れられました。ここではマンションの材料は「無機質」ということばも入れられましたね。ホテルに長く逗留しなければならない人が、いごこちよくするためにコップと花を買ってきて、それを部屋にかざるというエッセイを読んだことがあります。これも「自分なりの部屋にする」「部屋に生きているものを入れる」ということになりますね。木やもめんなども、生き物から作られたものだから、それが部屋の中にあるとなごむということでしょう。「反対意見の理解」「名言」「まとめ」はとてもよくできましたよ!

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