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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人生に必要なバランス感覚   えにほ

   どの言語もその文化的、そして歴史的な背景からくるある価値体系の枠組み無しには語れない。常日頃生活の中で、無意識に捉えているものも、そんな言語の持つ価値体系に支えられている物が多い。例えば,日本語では,特に普通の会話の中で、『お礼』と『お詫び』の意味を表すのに、「すみません」と云う言葉で共有する場合が良くある。そして、「これ、つまらない物ですが..」が物を差し出す時の慣用句に成っているのも、良い例である。このように、相手の気持ちを気づかい,配慮する礼儀、そして謙虚さが日本語の道徳感と言える。その反面、北米の英語はパイオニア精神旺盛で、前向きな姿勢の個人主義が建前になっている。両方とも生きる上で大切な価値観である。前向きな姿勢と謙虚さのバランスを取れる生き方が大切である。

   そのためには、第一に、自分でいつも何か目的をたて,失敗を恐れず、挑戦して行く態度を持つ事が大事である。そんな態度はオリンピック選手、スポーツ選手のトレーニングに対する態度に象徴される。一年に定期的にあるミートや試合に挑戦し、屈折を経験しながらも,地道に自分の目標に向かって行く態度には多くを習う事がある。長期のトレーニングに対処するには、はっきり表面化しない謙虚さも共存する。

   もう一つは、 世界平和やより公平な社会を求める普遍的な価値観と,自分の住む国、地域で起こっている事と関連させながら地域社会に関わって行く事だ。新渡戸稲造が英語で『武士道』を著し、国際連盟の発足に荷担した日本人としても有名である。彼は岩手の南部藩の家系に育ち、政治的には左遷となったが、江戸時代から岩手の農業、林業の開発に大きく貢献した家に育った。明治に日本と国際社会を繋げる重要な役目をした彼は、日本式パイオニア精神が存在する事の証である。

    確かに、壁にぶつかると悲観したり,好都合で調子の良い時は有頂天なり謙虚さを忘れ易い。言語や文化的背景に頼るだけてなく、自分のなかでバランス感覚を取り戻すことが人生をうまく生きて行く要素であり課題である。『自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない』と言う名言があるが、時たま矛盾する感情や目的も、このバランス感覚で冷静に見つめ直し,次ぎへの方向を決める事が大事である。

   講評   unagi

 <第1段落>的確な要約に続き、生き方の主題。「前向きな姿勢と謙虚さのバランスを・・・。」
 <第2段落>方法①「目標をもつ」:スポーツのトレーニングを例に、そこから得られる修練の精神、それに伴う謙虚さを説いています。「屈折を経験しながらも・・・。」の説明箇所は特に大切ですね。
 
 <第3段落>方法②「パイオニア精神をもち、地域社会と関わる」:新渡戸稲造を伝記実例として挙げています。活躍ぶりを端的に書き記していますが、その内容一つ一つが有効な実例の役目を果たしています。無駄のない説明です。
           
 <第4段落>反対意見への理解「確かに、壁に・・・。」:反対意見をも主題を深める糧にしているところが素晴らしいと思います。
 主題「矛盾する感情にバランス感覚をもって対処する」:この意見が、名言「自分の心の・・・。」の引用により更にパワーアップしています。
                     

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