対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日3330 今日1059 合計6955
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   外見と内面   あもお

ヨーロッパにおけるリンゴ栽培は4000年の歴史を持っている。それに対し日本はようやく100年を超えた程度である。こうした歴史の違いがリンゴのあり様にも差がもたらされた。見た目よりも味が良ければ問題ないとし、大衆の中で育った欧米のリンゴに対し日本のリンゴは贅沢品として出発し外見を重視してきたのである。この極度なこだわりは日本の国民性とも言えるが、味よりも見た目を重視するのでは本末転倒である。今日、この行き過ぎた考えは見直されつつあるが、そのためにはまず奇妙な日本人の美意識を,いささかな軌道修正する必要がある。
 あるファミリーレストランに行ったときのことである。メインのもの以外にスープを頼んで、メインを食べるのと並行してゆっくり飲んでいたところ、スープに虫が入ってしまっていた。多少迷ったが店員に交換できるかどうか聞いたところ、快く別のスープと取り替えてくれた。実際に衛生上まずいということはたしょうあるかもしれないが虫を取り除けば普通に食べれたはずである。しかし取り替えてくれたのである。これは「虫が入る」ということでスープの外観を崩し精神衛生上問題が発生したという暗黙の見解が双方にあったという事ではないか。日本人の徹底した美意識は大衆の中に確実に存在しているのである。
 国際世界においても日本の几帳面さは特殊であり、今日のBSE問題においてもそれがあらわれている。某テレビ局のBSEに関するアンケートが放送されていた。それによると一般の日本人がものすごく深刻な問題と受けとめて気を使っているのに対し、アメリカ人の多くはほとんど気に求めていなかったのである。政府も同様な状況で、アメリカ側が輸出した際に、特定危険部位の脊髄がわずかに入っていたのを理由に日本は猛烈に拒んだ。しかし、アメリカ側は危険部位について知らなかったという。今、アメリカは輸出し様としているのに対し日本が拒む事に対し報復しようとしているくらいである。
 確かに、日本が持っている優れた感受性によって素晴らしい性能と見かけを両立した自動車などは作り出されている。それは、ここには日本の独自の国民性が根を張っていて、並ならぬこだわりがあるからである。しかし、結果としては他国との関係は上手く行っているとは言い難い。かといって欧米に見られる中身だけがしっかりして見た目が雑なものがいいというわけではない。人間にとって大事な事は客観的な視点で見れる余裕を持ってやりすぎずバランスをとり続ける事である。だから日本が持っている特殊な美意識を生かしつつも、そればかりにとらわれないで、内面にも力を入れることが必要であると思う。

   講評   nane

 要約はうまくまとめた。「いささかな→いささか」
 スープの例は具体的。しかし、虫が入ったら、普通交換してくれると思うけどなあ。(笑)確かに、日本人の美意識は世界でもトップレベルにあるらしい。その美意識はどちらかというと、清潔さのようなところにある。
 BSEの例は時事的。ここに、アメリカと日本の意識の違いが顕著に表れている。このように、身近な話題と社会的な話題を組み合わせるのはいい書き方。
 複数の意見をまとめる形の結びは実は書きにくい。今回は、一つの意見を中心にまとめる練習だけど、もし複数の意見をまとめるなら、AとBの意見の折衷案にはせずに、より高い次元の意見にしてまとめていこう。例えば、「日本人の美意識を物事の内面に向けることが……」など。
▲見れる→見られる。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)