対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日44 今日1630 合計1674
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   ランニング   えせち

 皇居のまわりはランニングコースとして有名で、じつにたくさんの人が走っている。ゆっくりとジョギングしている人、本格的にトレーニングをしている人、お年寄りから子どもまで実にさまざまだ。額に汗がにじみ足取りは軽やかに苦しんでつらいどころか、まるで楽しんでいるように見える。このコースは一周がちょうど5kmでわかりやすい・信号がない・景観が美しい・適度にアップダウンもありランニングに最適という理由で大人気なのである。しかしコース脇は常に車の渋滞で空気は汚れているのでそれが難点だ。
 2学期最後のイベントとして、リセ・フランコ・ジャポネ主催のマラソン大会に招待された。なぜインターナショナルスクールと交流があるのか。それは2年前まで、ぼくの通う小学校の校舎内にこのフランス人学校の一部があり、学校生活を共にしていた時期があったからだ。久しぶりのリセとの交流は懐かしい反面お互いに言葉をかけるタイミングが見つからず、はにかむように微笑むだけだった。集合場所の北の丸公園は皇居外苑の北側にあり都会のど真ん中にありながら緑豊かな公園である。今回は皇居の外周を走ると思っていたので5kmは長いな、つらそうだなとテンションは下がりっぱなしだった。だが到着してはじめて公園内の短いコースとわかりほっとした。コミュニケーションをとる暇も無く簡単な説明のあといきなりスタート地点に並ぶことになった。
「1,2㎞は楽勝だな。前半はみんなのペースに合わせて、後半に追い上げよう。」
ぼくは密かに作戦を練った。そしてスタートラインの後方に並びゆっくり走ることにした。最前列は絶対に負けるもんかと闘志むき出しのメンバーが揃っている。中でも日本人のA君とフランス人のB君はまるでオリンピックのマラソンランナーのように真剣な顔つきで今にも飛び出しそうだった。
「位置について、用意スタート。」
とは言わないけれどフランス語のそれらしき合図でマラソンはスタートした。勢いよく飛び出した先頭集団はグングンと加速して行く。あせったぼくも遅れないように全速力で走った為、完全にペースを乱してしまった。そしてゼイゼイと息が乱れ始めた頃には両足が地面に吸い寄せられてトボトボと歩き始めた。追い抜いていく、いくつもの背中がまるで糸の切れた凧のようにぼくから離れていく。残念なことに結果は16位だった。
「本当は5位ぐらいになっていたのに・・・。」
と想定外の結末にがっかりして、この時ばかりは日頃から野球のランニングをまじめにしていればよかったと反省した。
 毎週、野球の練習で必ず走らされている。正直なところあまり好きではない。なぜなら走るとそれだけで体力を奪われているような気がするからだ。みんなも同じように嫌いだと思う。監督が見えなくなるとみんなしゃべったりのんびり走ってごまかすのが得意だからだ。ぼくもそのうちのひとりでランニングの意義がわかっていないと叱られる。野球の選手は9回までプレイできる持久力と同時にバットを振ったりボールを投げたりするのに十分な筋肉強度を必要とする。だからランニングや水泳のような持久力トレーニングとウェイトトレーニングを組み合わせたメニューをこなす必要があるわけだ。
 このように自分との戦いと思える訓練を黙々とこなすことは、ぼくにとって石の上にも三年というように長くつらい道のりだ。しかし、皇居のまわりを軽やかに走っているランナーはきっと走ることが面白くなってやめられなくなった人達だろう。この領域に達するまでにはまず自分には圧倒的に不足している精神力の鍛錬が必要だと痛感している。

   講評   hamura


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)