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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   共に生きてくということ   

 今日では、道徳的共同体をつぶしてきた法的社会がふつうの社会となり、国家になっている。しかし、今日、共同体が完全につぶされたわけではない。共同体の本質は感覚であるから、理屈、理論すなわち知よりも情が尊ばれる。各種共同体が機能しなくなってしまった現代では、法的処理の間にはさみこまれる共同体処理が、逆に不正なこと、悪であるとされる。「共同体→共同体のきまり(慣習)→道徳」という体系に合わせて「共同体の指導者→共同体のきまり(慣習)の熟達者→道徳的完成者(聖人)」という図式を考えだしたのである。「法的社会→法的社会のきまり→法」に基づく「法的社会の指導者→法的社会のきまりの実行者や政策プランナー」という図式による法治政治と鋭く対立する。私は、共同体的な生き方をしていきたい。
 そうするための第一の方法は、法律よりも人間を見ることだ。小学校の時、席順で変わるという形で日直があった。その仕事内容は、朝・帰り学活の号令、黒板を消すことだった。たまに遅刻した人のチェックなど、プリント配布の手伝いなど、細々した仕事もあった。その仕事を忘れると、クラスの代表の人が少し注意をする。そして次の日にまた日直。といった感じでまわっていた。例えば、今日は誰と誰(席が隣同士の人)が日直で、どちらかが仕事を忘れたら、明日もこの二人で…というような。しかし、代表の人の仲良しの子だったりすると次の日の仕事がなくなったりなくらなかったり…。ほとんど二日連続、というのはなかったが、代表はその子の人柄を見て、仕事を免除してくれていたのではないかと思う。ルールにだけ縛られているのではなく、きちんと人間を見ることは重要だ。
 そして第二の方法は、人を裁く人の人間性をよくすることだ。伝記に、大岡越前守は、子供を争う二人の母親に、「子供を引っ張って自分の元に引き寄せた方が本当の母である」と言い、痛がる子供の声に思わず手を放した母を本当の母と認定した。」とある。本来なら自分のものだ、としたほうが母だ。と思うがよく考えてみると、親というのは子を第一に考えられるのだから、子を離し、苦しませないようにするほうが本物である。自分の良心に従い、人を見ることができるようになることが大切である。上で書いた代表は、規則に従うのが当然なのかもしれないが、友達さし、その人のいいところを知っているのだから、といった感じでそれ相応のことをできるような機転がきくことが大切なのだと思う。
 確かに、法律がなければ世の中は大変なことになってしまう。事件が絶えなくなり、日本という国は平和とはいえなくなってしまうであろう。戦争なども多く起こってしまうだろう。しかし『家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である。』という名言があるように、批評できる人は数少ない。皆が皆できるわけではないので、その人たちと生きていく。共同的な考え常に持ち、更によい世の中になるように日々精進していきたい。私たちは一人ではない。皆同じ人間であるのだから、共生していくのは当然だ。いつまでたっても変わらない、ちゃんと全てを協力してできるような関係を築いていきたい。守りあって、色々苦難を共に乗り越えて見える景色を、私は見るために「共同体」の言葉を胸に生きていきたい。

   講評   miri

<第1段落>よく読みとっていますね。
<第2段落>非常におもしろく、ぴったりな実例ですね。この代表の生徒は人望の厚い子だったのかな? 
<第3段落>人間性をよくする→高める、のほうがよいでしょう。どちらの例も心を持たない機械では推し量れない、人間だけにできることですね。
<第4段落>法律などの規制の上に、人間らしい裁量で、共同体を作っていけたらよいですね。よく考えた結びの段落です。
 どの段落にも手を抜かず、きちんとした作品に仕上げました。よくできましたね。

あっぱれじゃ! 進級試験合格おめでとう!

さらに、高校合格、おめでとう!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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