対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   はこに入った私   ちょび

「お母さん、私がうまれた時って、小さかったんでしょう。」
「そうだよ。お母さんは小さい時から病気だったから、にんしん四ヶ月で、大学病院に入院したんだ。でも、病院の先生に、このままにんしんを続けたら、お母さんの病気はもっと悪くなるし、赤ちゃんもふつうの赤ちゃんは生まれないでしょうって言われたんだ。お母さんの病気のために赤ちゃんがおなかの中で育たないんだって。お母さんはそれを聞いて、ショックで具合が悪くなって、病室に運ばれたんだ。でも、お父さんとトシおばちゃんは、もっといろいろ言われたみたい。お母さんにはだまっていたけどね。」<<聞いた話>>
「ふうん。」
私は、「私はうまれなかったかもしれないんだ。」と、思いました。
「だから、みんなお母さんのことをしんぱいして、赤ちゃんをうむことに反対したんだ。だけど、トシおばちゃんに、お父さんならきっとどんな子がうまれても大切に育ててくれるから、けっしてこうかいしないように自分で決めたほうがいいよって言われて、うむことにしたんだ。それに、なぜだかよくわからないけど、自分も赤ちゃんもきっとだいじょうぶっていう気がしたんだ。でも、お母さんの具合が悪くなってきて、予定日より二ヶ月早く、赤ちゃんをうまなければいけなくなったの。まだはいと目がじゅうぶんできていない時期だって言われたから、少ししんぱいだった。ていおう切開の日、内科の先生三人、産科の先生三人、小児科の先生二人の計八人の先生が手じゅつ室に入ったんだよ。そうしたら、お母さんのことをずっとしんさつしてくれている内科の先生が、こんなごうかなていおう切開は初めてじゃないのってわらってたよ。」
「わらっているばあいじゃないのに、もう。」
私はついおこってさけびました。<<いろいろな言った>>
「お父さんは手じゅつ室の前で待っていたら、保育器に入ったあなたが運ばれてきたんだよ。おいかけていって見たら、まるでうまれたばかりの子ねこみたいにか細い声でミャーミャーないてたよ。」<<たとえ>>
「お母さんは、あなたをはじめて見た時、なみだが出てきた。ふつうの赤ちゃんとちがってぜんぜん肉がなくて、ほねに皮がついている
っていうかんじだった。そんなやせた体に、おむつ一枚のすがたで、むねや手や足のいたるところにてんてきやモニターをつけられて保育器に入っていた。本当にかわいそうだった。でも、とても小さかったけど、けんこうにうまれてくれてうれしかった。保育器を出たら、いっぱいだいてあげようって思ったんだ。あなたがおかあさんのところにきてくれて、本当にうれしかったよ。」
お母さんは少しなみだ目になっていました。
 私は、「こんなにたいへんな思いをしてまでうんでくれてありがとう。」と、思いました。<<自分だけが思ったこと>>

   講評   kan

 こんにちは、ちょびちゃん。体調はいかがですか? 季節の変わり目は体調をくずすことが多いですものね。はやく元気になりますように。
 今回は進級試験でした。みごと合格です!おめでとう。項目も内容もすばらしく、言うことなしの合格です。ちょびちゃんが生まれるまではもちろん、生まれてからもいろいろなドラマがあったのですね。お母さんやお父さんの不安をよそにしっかりと生まれてきたちょびちゃんですもの、すてきな未来があるはず!
 ★題名の工夫★電話でお話してくれたように「はこに入った」という言葉を使ってくれました。じょうずです。
 ★たとえ★「まるでうまれたばかりの子ねこみたいにか細い声でミャーミャーないてた」というたとえを書いてくれました。ほんとうに小さな声だけど、生命力を感じさせる声をそうぞうできますね。
 ★いろいろな言った★「私はついおこってさけびました」とてもよいです。ついおこって、もくわえたことでいっそう表情ゆたかになりましたね。
 ★聞いた話★お母さんお父さんに聞いた話をしっかりと書き入れてくれました。ちょびちゃんが聞いた話よりもっともっと多くの思い出があるでしょうね。
 ★自分だけが思ったこと★この作文を書いて、お母さんへのかんしゃの気持ちでいっぱいになったことでしょう。実はちょびちゃんの作文を読んでじんわり涙がでてきてしまいました。たくさんの愛につつまれて生まれてきたちょびちゃん。お母さんお父さんに会えてよかったね。生きているってすてきだね。
    

 

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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