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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間を計る物差し   こずっち

 日本はまだ学歴社会の傾向が色濃く根付いている。最近テレビ番組などで盛んに討論されている「ニート」「フリーター」という言葉がある。定職に就いておらず、親に養ってもらっていたりその場の稼ぎで生活している人達の代名詞となってしまった。現在世間ではこの危険性が声高に叫ばれている。就職率も上昇気味にあるものの、少し前までは低い状態であった。若者が職に就けずその態度や状況を批判し、危惧している大人を見て私の中に多くの疑念が生まれていた。それは自分という人間を計る基準が食い違っているからだと思う。
 社会の型に自分を当てはめて計ることは、それに向かって努力しようという意識を生じさせるのでとても大事であるという意見がある。学生であれば成績、社会人であれば所得など色々な尺度が存在している。それである程度個人のステータスというものが決まってしまう。例えば私は今予備校という世界で学力によるクラス分けの結果、所謂「上の下」という場所にいるのだが(笑)毎回の授業が終わると私は反省をし、そこで落ち込むことも多々ある。自分で「上でありながらその底辺の方である」と認めてしまうことはとても辛かった。けれどもそこでくじけてはいけないと思い、今は誰に何を思われようとも自分で頑張ることにした。これは私も小さな社会の中で目標に向かって努力している、ということになる。
 次に自分らしく、今のままの自分を受け入れることが良いとする意見もある。前者の意見のように何か特定の物に縛られず、かけがえのない人生を満足できる形で進めるということだ。その方法では自分という人間が見え易いという考えもできる。例えば楽天という会社を立ち上げた三木谷社長は元々いた会社を独立して創ったそうだ。社長は最初元の会社に残った方が安定した暮らしがあるだろうと思ったけれど、ここで独立しなければ一生後悔するだろうと思ったとどこかの雑誌で語っていた。三木谷社長のように何か自分の信念を持っていて、それの達成を強く願っている時、人間は自分を見つめ直し、人生の大きな岐路などを勇気を持って進む決心ができるのだ。
 この意見を総合化すると、自分という人間の存在を表現するものや機会というのは意外と多いのである。社会の型にだけはめて考えると上手くいかないこともあり、満足して生きるためには自分に正直になることも必要である。「人間は求めている限り迷うものだ」という名言にもあるように、人生の岐路に立たされた時選ぶ道は人に決められるものでなく自分で決めるものである。

   講評   nane

 最初の状況実例から意見にかけてがちょっとわかりにくいか。「それは自分という人間を計る基準が食い違っているからだと思う。」という意見を一段落目の結びとすると、そのあと、どういう展開にするか予測しにくい。この段階でできるだけ意見の焦点を絞っておくといいよ。
 第二段落の、社会の中での位置づけは具体的。受験などは特に、競争がはっきりしているから、過熱しやすい。目標があって、そこに平等の条件で参加できるわけだから、ある意味できわめてフェアな競争と言える。江戸時代などは、競争自体ができなかったわけだからね。
 自分の内部の声に耳を傾けるというのも大事だね。客観的に言えば、大企業に勤めていた方が得をする可能性が高い。危ないベンチャーに賭けるというのは、失敗する可能性を考えると、賢い人は選択しない道だったはず。その危険な道を敢えて選んだところが、自分の人生を選んだということなのだろうね。
 「人間は求めているかぎり……」はいい名言。迷いつつ、しかし自分で決断するということが大事なんだね。
 今回も引き続き高得点。接続詞を入れて更に論理的にするといいか。


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