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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   やればできる!   オーロラ

 私は小さい頃、川で溺れそうになったとき、元のところに無理に戻らず、下流に流されるままにして助かった。怪我をして全く動けないままに、将来のこと、過ぎた日のことを思い、悩んでいた時、ふと、そのことを思い出した。歩けない足と動かない手と向き合って、歯をくいしばりながら一日一日を送るのではなく、むしろ動かないからだから、教えられながら生活しようという気持ちになったのである。「神は試練とともに脱出の道も備えている」という聖書の一節が心に響いた。(要約)
 私も今年、思いがけない危機に陥ったことがある。それは、二月のバレエの発表会の時のことだ。私の発表会の前日、ほかの支部の子達が踊っている最中に、スプリンクラーが壊れて会場が水浸しになり、発表会は中断され、その後約半分の発表は次の日にやることになった。だから、私達の本番の日の午前中は、前日やる予定だった人たちが発表会をやっていた。そのため、私達は、午前中にやるはずだった舞台稽古ができなくなり、ぶっつけ本番となってしまったのだ。(体験実例)
 もちろん、かなり焦った。心配なところはたくさんあった。1週間ほど前、バレエ学校の本校で通し稽古をしたときは、まあまあうまくできたと思ったが、そこは本当の舞台ではないので、舞台稽古のときに、自分の立ち位置や、どこまで出て行くかということをもう一度確認したいと思っていた。そう思っていたのは私だけではないはずだ。なので、内心ドキドキだった。けれども、よく考えてみたら、舞台稽古がなくても、自分の想像の中で舞台の上を踊ってみることもできるはずだ。実際、今まで何度もそうしてきた。それに、稽古を何回重ねても、どうせ本番は1回きりだ。その1回ができなければどうしようもないのだ。そんなふうに考えると、開き直ったような気持ちになって、かえって冷静になっていくようだった。
 先生は、忙しくて、
「こんなことになって大変だけど、やることをしっかりやろうね。」
と、短く声をかけただけだったが、お姉さん達は、黙々とストレッチをしたりしていたし、友達も、あまりあわてたようには見えなかった。もしかしたら、集合時間が早まったので、寝不足でボケていただけだったのかもしれないが。(笑)そんなみんなの様子にも励まされて、何かすっきりした気持ちで舞台に立てた。結果は、思った以上に大成功だった。客席も、昨日のハプニングを知っているせいか、いつもより温かかったような気がする。
 難しいことかもしれないが、どんなときも、焦ったり、くよくよ悩んだりするのではなく、そのとき自分ができることをやればいいのだということを学んだ。(わかったこと)

   講評   nara


 あのときは大変だったね。先生もオーロラちゃんのお母さんから少し聞いたけれど、ホールの人も出演者も、そして保護者の人たちも、みんな「どうしよう!」と思っただろうね。その「どうしよう!」をそれぞれの立場で抜け出す努力をしたからこそ、「思った以上に大成功」をおさめられたのではないかな。長文の場合は、流されたのは筆者一人だったけれど、オーロラちゃんの体験談の場合は、たくさんの人が関わっている。その分、危機を脱出するのには大変さも大きかっただろうし、抜け出したときの達成感もより大きいだろうな。
 体験談はいつもくわしくていねいに書けているね。作文を読んでいる人も舞台裏に一緒にいるような気分になるような書き方だね。「どうしよう!」と焦る気持ちが徐々に変化して、冷静さを取り戻していく様子がよくまとめられている。自分の気持ちと周囲の様子の説明も、バランスよく書けているよ。
 欲を言えば、自分の体験実例と、まとめの部分のバランスをもう一工夫してみるといいね。「もし、焦ったりくよくよ悩んだりしたら、どうなるだろう。」という説明を加えて、まとめの段落のボリュームを出してみてもいいかな。慌ててしまうと、いつもできていることもできなくなって、本来の力よりも低いレベルのものしかできないかもね。その説明を受けて、「そのとき自分ができることを……」と続けていけばOK。 

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