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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   サングラスを外そう   ピエッパ

一昔前、サングラスを持つということはちょっとした冒険であったようだ。サングラスをかけて街を歩くには、平然としていられる心構えが必要な程であった。しかし現代、サングラスはごく普通の人々が愛用している。そして、この風潮は人間関係にまで及んでいる。要するに、人間関係においても、サングラスをかけて付き合わないと刺激が強すぎるのだ。でも私は、付き合っていく上で、このようにサングラスでお互いきちんと向き合わないのは問題だと思う。ではなぜこうなってしまったのだろうか。
 まず第一の原因は、日本人の性格にあると思う。例えばアメリカ人は、ジェスチャーも交えて自分の気持ちをオープンにする。それに比べて日本人は、あまり自分の気持ちを単刀直入に表さないのだ。もちろん、この性格もおくゆかしさを大切にする上では大切である。しかし「NOといえない日本人」といわれるように、日本人ははっきりと断ることができない。これが、人間関係において隠し事やすれ違いが生じる原因なのである。
 第二の原因として、近年見られる価値観の多様化もあげられると思う。価値観が異なる中で、自分の考えをはっきり表現すると、人間関係に摩擦が生じてしまう。その例として「自己中」という言葉が生まれた程だ(笑)。そんな中で本当の気持ちをズバッという人は少ない。軽くぼやかしながら、自分の気持ちを伝えることが、現代社会でうまく生きていく技になってしまっているのだ。
 確かに、このような環境の中ですぐにサングラスを外せと言われても難しい。しかし、
「人間関係は閉鎖するのではなく開放することで成り立っていく」(自作名言)
というように、人々がサングラスをかけた、心を閉ざした状態が当たり前になるのはやはり問題である。

   講評   huzi

 心のありようをテーマにした長文でした。感想文にするときは、自分の心の中をのぞきこまなければならないのですが、さすが、よく練った内容に仕上がったね。様々な経験を経て、深みを増したことが伝わってきます。サングラスをかけた人間関係。今、サングラスのかわりになっているのは、携帯電話かな。
  【社会問題の主題】は、簡潔に方向性を示しています。
  【原因】は、日本人の性質と、価値観の多様化。視点を変えて挙げられたね。「NOといえない日本人」を持ち出して、説得力も増しました。軽くぼやかしながら自分の気持ちを伝えることが現代社会で生きていく技とは、高度な技(笑)。でも、実はみんな、技を操ることに疲れてきているのかも。そんなときは、直言でリーダーシップをとる人が「できる人」として尊敬を集めます。本当はそれぞれの人が、自分の意見を出して、相手と向かい合わなければならないのです。
 結びも、最初の意見に向かって効率よく収束できたね。閉鎖することで結びつくのではなく、開放でつながっていく人間関係を述べた【自作名言】は、なるほど。そのとおりです。

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