対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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場の雰囲気は聞かずに読め うさぴょん
日本は島国言語を扱う通人社会、粋で感情の機微に聡い——すなわち空気を読む環境なのである。相手がどう考えているかストレートに聞くのは好まれず、煙に巻かれたものを再び話題に出すのも「くどい」と相手にされない。この言語環境は日本が鎖国を可能にするような島国という位置にあったことも関係するだろうし、じめじめとした梅雨の気候がそうさせたのかもしれない。したがって日本という国は華美に振る舞うのでなく(そういう時代と人もあったが)質素で簡素に、余白に美しさを覚え、少ない言葉と目と動作で話をする、そういう文化の上に成り立っているのだ。その日本特有の「簡潔」をモットーに、そして家族を国民全員でしているようなこの島国言語というものは、果たして使い続けていくべきか。
私はときどきこの島国言語に辟易することがある。例えば、なにかを相手に要求して、逃げられてしまったとき。内輪な話をする排他的なところ。ときにはそれが過度になり、人の迷惑になる。その中でももっともいやなのは、空気を読めていないと嘲笑われることである。ときには指している事柄が分からないことだってある。それにもかかわらずたった一回だけで「あの人は空気が読めない」などと言われるのはいい迷惑ではないか。
けれども逆に島国言語でよかったと思うこともある。それは皮肉にも自分が煙に巻いたり、お茶を濁したりしなければならない立場のときだ。もちろん皮肉な意味だけでなく、相手に対する思いやりをいれようと語尾や五感が柔らかくなっているし、少しくらいなら甘えても許される。また、急いでいるときには「あれとって!」と叫んでとってきてくれることもあり、その面では非常に嬉しい。
悪いところもよいところもある表裏一体の日本語。古来日本には「言霊」という言葉があるように言葉には感情がこもりやすい。それを機敏に感じとる心も持っている。だから、言葉は使い方次第で相手を誉め喜ばすことだって、貶し傷つけることもできるのだ。したがって、島国言語が悪いとかよいとか、よいとか悪いとか(笑)ではなく、使い方が肝要なのである。
講評 nara
こういうテーマについては、ずいぶん意見を練ってきたね。よくまとまっているよ。「島国」は日本が話題になるときに、意識しておきたいキーワードだ。言語論でも精神論でも、カギになることが多いね。
6月1週目は進級テスト。心配はしていないけれど、題材探しとキーワードのチェックをしっかりしておこうね。
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