対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分の感じ方 ぼんちゃん
ヨーロッパ人の耳には,あの美しいコオロギの鳴き声も雑音としか聞こえないという話もどこかで聞いたことがある。先日ラジオで,東京ではアオマツムシが木の上でうるさいほど鳴いていて,他の虫の声が聞こえないほどだ,このアオマツムシは明治時代に中国から渡ってきた帰化昆虫で,どうも声がうるさすぎて味気ないという話をしていた。つい先ごろ,ぼんやりと庭に出て夕涼みをしている時,妙に大きな声の虫が鳴いているのに気がついた。それ以来,今まで少し声の大きなコオロギだなということぐらいしか考えず,むしろ秋を感じさせる虫の声として楽しく聞いていたその声が,急にうるさく感じられるようになってしまった。知識は現実の見え方や感じ方を変えてしまう力を持っている。習慣もその一つだ。「百聞は一見にしかず」とよく言われるが,それはどんな場合にも真実だというわけにはいかない。ですから,私たちは,自分のものの見え方や感じ方を絶対のもの,まちがいないものだと思わないようにしなければならない。
私は時々,外国人と日本人のものの感じ方の違いを感じることがある。例えば,食べ物の趣味だ。私のイギリス人の友だちは,納豆が嫌いだという。私が,
「え〜。納豆をホカホカのご飯のうえにかけて食べると,おいしいじゃない。」
というと,彼は,え〜という顔をした。納豆のどこが嫌いなのかと聞くと,納豆の発酵した匂いとあの,ねばねばかんが気持ち悪いのだという。確かに,納豆の匂いは独特である。また,私にも「え〜」という食べ物がある。それは,ブルーチーズだ。あのカビの生えたチーズを食べている人はどんな食べ物の趣味をしているのだろう,と思ってしまう。私の母も食べているのだが......
また,私たちは噂や先入観など自分でいろいろなことを考えてしまうことが多い。私は,このような経験をしたことがある。5年生の春に転入生がきた。ある体育の時間に50メートルのタイムを計った。その子はちょっとぽっちゃりした子だったので皆が遅いのではないかと思っていた。しかし,その子は,なんと7秒9というタイムを出してしまった。7秒9というのは,クラスで一番足が速い男の子と同じタイムだったのだ。私は,だいたいのぽっちゃりした子は皆,遅いといういうイメージがあったのだ。このように私たちは,今まで自分達が見たり体験したことで物事を判断してしまったのだ。
私がこの長文を読んで分かったことは,自分の経験や感じ方が全て正しいというわけではないということだ。私たちは先入観で判断してしまうこともある。もちろん,自分の経験も必要だとは思うが。
講評 kirara
おどろかないでね、先生もブルーチーズが大好きです! これ以外でも、「くさいもの」は好き。「先生は変な人」という“先入観”はもたないように・・・。
<<こうせい>>非常によくまとまっています。作文に合わせて「常体」で書いたのもすばらしい。ひとつだけ、「ですから」と書いてしまったのがおしい。
<<だいざい>>外国人の友だちがいるのはラッキーでしたね。日本人でも、納豆の苦手な人はいますから、外国の人が敬遠するのもしかたのないことかもしれません。
<<しゅだい>>いつもしっかりと「わかったこと」を書いてまとめているのがすごいです。いちばん最後に「もちろん、自分の経験も必要だと思うが。」と書いた文を、この段落の初めのほうにもっていくと、ぼんちゃんの意見が生きてくると思います。
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