小１から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。 志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で４０年の実績。 ▶ 個別指導のオンライン作文

昨日3224 今日2409 合計57969□

　　　めだか赤ちゃん誕生　　　ミスターカービィ

　小さな小さな命が水の中で動いてる。やっと、めだかの赤ちゃんが卵から孵化した。体長1ミリメートル、その体は、クリスタルガラスのように驚くほど透明だ。小さなコップの中でゆったりと泳いでいる。
　このチビッコめだかの母親は、十日ほど前に知り合いの池上千代さんに頂いためだかだ。めだかを飼い始めてから二日後、ぼくは、異変に気付いた。
「ママー、緊急事態。早よー、来てくれる。」
　ぼくは、真っ先に母を呼んだ。なぜなら、めだかの肛門に黄色の粒々がくっ付いていたからだ。ぼくは、「絶対、卵に違いない。」とじっと、水槽に近づいてめだかの肛門を見続けた。物知りの母も、
「何やろな。ママも見たことないわ。」
と、頭を抱えている。ぼくは、仕方なく仕事が休みだった父に聞いてみた。
「これ、何やろなー。卵やったら、あかんから水草買いに行くか。」
と、父がぼくに言った。のんびり屋の父は、水槽の前から動こうとしなかった。すると、母が
「早よーせな、店、クローズするやろ。アイリスのケーキ屋の隣の熱帯魚屋に行ったらええんちがう。めだかの育て方もおじさん、教えてくれるわ。」
と、怒り出した。父が、
「それ、どこよ。」
と、天然ボケなことを言うので母は、ため息をつきながら熱帯魚屋の場所を詳しく教えた。
「ああー、あそこか。」
と父は、元々その場所を知っていたらしい。やっとのことで、ぼくと父は、その店に向かった。しかし、「ガガガガーン。」本日休業の張り紙がデデ−ンと張っていた。ぼく達は、急きょ、ディスカウントストア「ミスタージョン」で水草を手に入れた。母は、水草を一本買って来るようにいっていたが、十本入りしか売っていなかった。ぼくは、「ママ、いっぱい水草買っていったらビシビシ怒るでー。」と母の怒る顔を浮かべた。しかし、父は、川砂利までも買っていた。
　家に着くと、急いで水槽に砂利と水草を入れた。めだかが無事、産卵できるように心を込めて水の中に水草をそおーっ、と入れた。「後は、めだかに任すべし。頑張ってぼくみたいに元気な卵、産んでくれよ。」と、ほくは、祈った。まるで、父親の気分だ。　
　次の日の朝、水槽を見るとなんとめだかの卵が水草に産みつけられていた。
「ビッグニュース、緊急事態。めだかが卵を産み付けてるぞーっ。」
ぼくは、父を呼んだ。父とふたりで卵を小さなコップの中に移し替えた。それから、ぼくは、毎日、「早く、卵、孵化せんかな。」と、心待ちにコップを眺めていた。
　とうとう、めだかの赤ちゃんが産まれた。たった1ミリメートルの小さなめだかの命が精一杯、水中で泳いでいる。ぼくは、感動した。
　ぼくも、大きくなったら結婚して子どもを持つと思う。子どもが生まれたらこのめだかの誕生の話をしてやりたい。そして、いっしょにこのめだかの子孫を育ててみたい。
　小さな小さなのめだかの命が、一生懸命水の中で泳いでいる。
　

　

　

　　　講評　　　ita

　こんにちは、カービィー君。めだかの産卵からの一波乱をくわしく書くことができましたね。おっとりしているお父さんと、何でもすぐ行動できるお母さんの様子がいきいきと描けていました。途中に入るカービィー君の「思ったこと」もパンチが効いていていいですね。
　かわいいめだかの赤ちゃんにはゆで卵の黄身がいいと読んだことがあります。是非大きく育ててあげてくださいね。初代と二世とでは性格がきっと違いますよ。また教えてね。(^o^)