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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   優秀な人、そうでない人   ルフィ

 これからの社会が、今までのように自然淘汰に任せた発展を続けていくと、選民のみが優遇され、他の人たちは不自由な思いをするようになるのではないかと予測する。
 それに対抗する対策の一つに、多様性を認めていく、というものが挙げられる。そのことは、部活動、特に多人数でやる運動部で、実感できると思う。私は、先日、所属していた男子バスケットボール部を引退した。幸いなことに、私は毎試合スタートメンバーで出してもらえ、多くの試合に出場することができた。だが、残念なことに、私と一緒に引退した12名の3年生の中には、ほとんど試合に出られなかった人もいる。しかし、この中の誰か一人が欠けるだけで、チームは存在しないのだ。たとえコートの上に全員が立てなくても、私たちはいつだって、総部員39名で戦っていたし、その応援が、みんなの気持ちが後押ししてくれた。そう、試合に出ている「優秀」(この言葉を使うのには抵抗があるが)な一握りの人たちだけがチームではないのだ。スコアを書く人、ベンチでアドバイスをしてくれる人、その全てがそろって初めてチームを成すのである。そして、それは社会においても当てはまり、「優秀」な一団体のみが「日本」とか「会社」とかそういったものを形成するのではない。
 また、別の対策としては弱者を救済することも考えられよう。先日、森鴎外の「舞姫」を読んだ。簡単にあらすじを紹介すると、時代は明治、社会的弱者であったエリスという少女と日本のトップエリートである豊太郎という青年がドイツで関係を持つ。豊太郎はエリスとの恋に生きるか立身出世の道を選ぶか選択を迫られ、官僚として生きるために日本に帰っていく。つまり、高い地位にある豊太郎という青年が、自らの官位のために、貧しく身分の低いエリスを捨てる、という話なのだ。その後のエリスは、豊太郎に裏切られたことによって、激しく憔悴し、変わり果ててしまう。このように、誰かの益の影には、必ずや誰かの悲哀、損が潜んでいるのである。ならば、生死の狭間を彷徨うほどの貧者が少しばかりの利益を受け、すでにあちこちで裕福な暮らしを営む富者が多少の損をすることに、何か間違いがあるだろうか。今一度、社会的強者たちには考えてもらいたい。
 確かに、ある程度の競争はないと、社会としての発展や、向上は望めない。しかし、誰かを犠牲にして、何かを足蹴にしての発展が、本当に人間の幸福追求にかなった物なのだろうか。「幸福とは、不幸の上に成り立つ物であるが、共有できる物でもある。」残念ながら、幸福とは、不幸の対義の概念であるが故に、不幸なしでは成り立たない。しかし、その不幸を被っている人と、一緒に持てるものではないか。私はそう思うのである。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。いよいよ夏がやってきます。
 7月からの課題も頑張ろう!


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