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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   教養の将来   えよさ

 現在社会では、スペシャリストが重視されている。例えば、近年は現在薬剤師や看護士など、資格を取れる学問が人気である。大学に行く目的も、学問を深めるというよりも、大学に行きなおかつ「手に職」を求める、という傾向が強い。これは、新卒の就職率の悪さによる影響かもしれないが、専門的な知識を持っている人間が社会でも重用されているのは事実である。しかし、スペシャリストを重視しすぎるのも、現代社会の問題である。
 第一の対策は、ゼネラリストや教養主義を復活させることである。イギリスなどの大学では、教養を重視し、理系でもシェイクスピアを、文系でも物理学を学ぶそうである。確かに、それらはお互いになんの関係も無いように見える。しかし、シェイクスピアがわからなければ自然化学を学ぶことはできないだろうし、物理学がわからなければ、身近な物理的現象から、私たちの生きる宇宙の存在を理解することができないだろう。つまり、学問はその根底ではつながっているのである。文系なのになんで数学や物理を勉強しなければいけないのか、ということは、私も散々不満に思っていた。数学の公式を覚えたり、物理の法則を覚えることは、確かにかなりの苦痛であったし、その意味も見出せなかった。物理の先生は、文系の人が物理を学ぶ理由を次のように説明した。「原爆を発明したのは物理学者だけれど、それを最終的に使用することを許可するのは、文系出身の官僚である。だから、文系の人が、原爆の仕組みを説明されたときに、ある程度は理解できないと困る。」ということであった。私はこの説明を聞いても、官僚にならないなら意味無いじゃん、と依然として納得しなかったが(笑)、社会で生きていく以上、自分の専門にこだわらず、一般教養が豊富ということは、かっこいいと思うし、暮らしの中に多くの発見が見出せるのではないかと、最近見直すようになった。
 第二の対策は、スペシャリストを養成する段階の改善である。専門学校のように、その分野だけを学ぶ学校もあるが、大学では低学年の間に一般教養を学ぶことが多い。しかし、最近は早い段階から専門的に学ぶ傾向があるようなので、改善するべきだ。大学側が、社会のニーズに合わせることができれば、理想的であろう。福沢諭吉の著書「福翁自伝」によると、福沢諭吉は初めてアメリカに渡ったとき、現地の工場を見学したり、最新の機械を見ても驚かなかったそうである。彼は、西洋に比べて文明の遅れていた日本においても、自分の専門にとらわれず、幅広く学習していたために、物事の原理などを深く理解していたのだろう。幅広い教養を持っていた彼だからこそ、当時の日本で活躍することができ、現代においてもその功績が称えられているのだと思う。
 確かに、スペシャリストも大切だ。しかし、教養を持ちえていなければ、狭い視野に偏ってしまうこともある。教養とは、幅広い知識ではなく、視野を広げる道具である。「手に職」や資格を取れる学問が人気であるように、スペシャリストを大切にしすぎることは、この先将来的にも問題になるだろう。

   講評   nane


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