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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   レンタルの美徳   こずっち

 現代の日本人は「所有」することを喜びとする特徴を持っている。それはなぜか。地理的に日本は島国で、私達の祖先の時代から農耕というのが重要な要素となっていたからだ。かの有名な高床式倉庫も食べ物を蓄えるために造られたものである。反対に、欧米人は「レンタル」することが根付いている民族であると言える。この精神にも古代から続いているもので、狩猟を主としていた彼らは機能を重視するからである。そして今の世界に求められているものとはこのような「レンタル」の精神である。環境に良い生活を目指すなら使いまわす精神が大事である。私は「所有」より「レンタル」する生活をしたい。
 そのための方法としては第一に物を持つということだけに価値を感じないことだ。私達は何でも所有することに意義を感じている気がする。よくよく考えてみると別に持っていなくても平気なものであっても何か持っているだけで妙な安心感を感じられる。例えば私は雑誌が大好きで、欲しいと思うとすぐに自分の家に置きたくなる。しかし雑誌は段々と私の部屋を占領し、傍から見ればゴミと大差ない。特に雑誌などは今自分で買う必要が少なくなっているものだが、なぜか自分の家にあるだけで所有しているという満足感と嬉しさが自分の欲求を満たしているようである。
 第二の方法として「レンタル」しやすい社会を作ることである。地球環境ももう妥協できない局面に向かっている今だからこそ、欧米のような資源を無駄にしない精神を私達にも社会的に植え付けていく必要があると思う。例えば社会問題としても浮上してしまっている自動車の問題であるが、日本の自動車生産量は2000年時点で約1200万台と、世界3位となっている。重工業が本格的に発達し始めた第二次世界大戦以降、日本では自動車の供給量はそれなりに多かった。これも自分で愛車を所有したいという所謂コレクター精神がその供給量を支えていたのであろう。しかしこの傾向はやはり環境汚染を拡張し、排気ガスは所有者である人間の健康まで害するようになった。そう思うと欧米のような乗り継ぎレンタルはとても思慮深い習慣だと思う。
 確かにレンタルの精神だけで人間のもっと深いところ、つまり信頼などは借りることはできない。物だけに頼りすぎる生活を見直し、本当に必要なものだけを自分の中に取り入れていけるような生活をすることが大切である。「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言にある通り、物の所有にこだわりすぎてはいけない。貸し借りする美徳をもっと考えてみる必要がある。私は所有で満足を感じるのでなく、貸し借りから満足を感じられるような生活をしたい。

   講評   nane

 書き出しの「現代の日本人は「所有」することを喜びとする特徴を持っている。」は、ちょっと堅いか(堅苦しいという意味ね)。もう少し柔らかく「私たちは物を買うことに喜びを……」ぐらいで始めてもいい。
 細かい話だけど「かの有名な高床式倉庫も」の「かの有名な」は要らないかなあ。(笑)無駄な表現があると、密度が薄いと見なされることがある。
 でも、第一段落の内容はよくまとまっている。
 第二段落の所有することに安心するというのは、いい体験実例。読まないのに買うと安心する。だから、全集などをそろえている人は意外とその本を読んでいないことが多い。
 第三段落の自動車生産のデータのような数字は、概数を覚えておくといろいろなところで使えるね。
 第四段落の「信頼などは借りることができない」はいい表現。名言は、地の文で書いていってもいいよ。
 時間内に目標の字数まで書いたところはさすが。




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