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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   脳細胞の開花のために   えほる


一.人間関係は個人の成長の飛躍台である。まわりの人間との記号を媒介とした交渉なしに、一人の人間が形成されるというのはあり得ない。よい人間関係とは、互いの能力の可能性を開花させうるような関係のことである。(要約)あ、新着メール。誰だろう?会社の課長からだ〜。何でわざわざメールで送るのだろう、隣の席なのに〜!直接言わないのは嫌われているのかな・・まあいいけどさ・・ブツブツ。最近、人との会話が少なくなったと感じるのは私だけだろうか?しかもだんだんそれが当たり前のようになってきた。周りの人たちも人間関係が希薄になっていると感じているのではないだろうか。人間関係が希薄になると上記のような個人の成長する機会が奪われることになり、問題だと思う。(書き出しの工夫、社会問題)
二.人間関係が希薄になってきた原因としては第一に、核家族化や少子化が挙げられるだろう。核家族化によって、世代間の交流がなくなり、日常的に会話をする機会が少なくなっていった。また、少子化によって、子供同士の会話が家庭内で少なくなっていったからである。 私の場合、幼い頃からおばあちゃんやおじいちゃんと同居していなかったし、親が親戚づきあいを好まなかったせいもあり、彼らと馴染みがない。おばあちゃんだけはたまに会いに行って、彼女の作っている物をじっと見ていると、たいてい「若い人にはわからんだろうけどなー。」で会話が終わってしまうことがよくあった。これに対して返答すれば会話になるのだが、どう返答すべきか分からないのである。(体験実例)
三.第二に挙げられる原因は、上記の例にあるようなパソコンなどのIT機器の普及であろう。携帯やパソコンで、メールを通じて相手と連絡が取れるようになったため、わざわざ直接会話するのが面倒になってきたことにある。近年、IT機器から出る電磁波は健康への影響が心配されている。アメリカでは一九七八年に送電線近くに住む子供たちに小児白血病が多いという結果が出ている。また、超低周波による影響としては、脳腫瘍、乳がん、流産、アルツハイマー病のリスクが上昇している可能性を示唆する疫学データが報告されている。健康の面から考えると、IT機器を使わずに済むならなるべくそうした方がいいであろう。(科学実例)
四.確かに、自分との内なる葛藤もなしに、一人の時間をのんびりと過ごしている方が楽である。他人や自己から批判されたり、自己を卑下したりすることもなく、いつも自信満々でいられるだろう。しかし、いいことも起こらないし、内なる進歩も見られないであろう。人間関係は他人との間にあるのではなく、自分のためにあるのである。日常生活で人は、脳細胞のほんの一部を使って生涯を終えるらしく、残りの細胞は未使用ということだ。もったいない気がする。人間関係がその細胞の開花を促すきっかけになるというなら、ぜひその関係を利用して、残りの細胞を開発し使わなければもったいない。

   講評   baba

<第一段落>
 「人間関係が希薄になると上記のような個人の成長する機会が奪われる」という点は鋭い指摘です。「それはなぜ?」というところを、要約でまとめていける(人間関係とは自分自身の内部での対話)ともっとよかったです。
 課長からのメールの話はおもしろいです。笑ってしまいました。

<第二段落>
 原因の一つ目として核家族化と少子化を挙げました。的確ですね。同時に、都市生活化というものもありますね。
 おばあちゃんの話もおもしろいです。うまく使えていますね。

<第三段落>
 原因の二つ目としてIT機器の普及を挙げました。これも重要な問題です。展開の仕方が惜しいです。電磁波などの健康被害の問題は人間関係の希薄化という問題に関係がないので、こんなふうに展開したらどうでしょう。たとえば、メールでやり取りしていると、もう1年も会ってないのに、しょっちゅう会っているような気がする。それでいて実際に会うと話がはずまない。そして顔を突き合わせ腹を割って話すということがなくなる。こんな経験は誰にでもありそうです。
 余談ですが、送電線近くに小児癌が多いというエピソードはあまりにも有名です。なのにオール電化住宅やIHクッキングヒーターがもてはやされているとは恐ろしい現実です。企業の宣伝広告(電気は簡単便利安全)は怖し。

<第四段落>
 反対意見は考えさせられますね。ゲームやパソコンに向かっての生活は気楽です。でもそのゆえに自己の確立ができなくなって、それが猟奇的犯罪や不可解な言動、社会性のなさに結びついているように思います。
 「人間関係は他人との間にあるのではなく、自分のためにあるのである。」は長文の問題意識をよくとらえた一文です。最後のほうの脳細胞の話もおもしろいですね。

       

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