対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日4215 今日2757 合計62532
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   文章を読んでいて(感)   セコイア

 本は気軽に読んだ時もっとも創造的でありうる。また、読む速度が関係している。さっと読んだ時は、勝手なことを創造したり、ところどころで自分の考えを触発させたりできる。それが、「面白い」という印象になっている。丁寧に読めばいっそう面白くなるように考えるのは誤解で、スピードに伴うスリルが消えると、さっぱり刺戟的ではなくなってしまう。しかし、すぐれた本は、そういう気ままな読み方を拒む。ぐんぐん引き入れようとする引力を持っている。それに対抗するには途中でやめるしか手がない。たとえ中止することが不可能な時でも、自分の考えをたしかめながら進むことである。そうでないと、本を読めば読むほど自分の考えがはっきりしなくなってしまう。これは本だけではなく、すぐれた指導者についても言いうる。すぐれた影響力を持っている点にのみ着目していると、そのために個性を失った人間が育つ危険を見落としがちになる。亜流にならないためにも、敬遠して影響を受ける必要がある。(要約)私は、すぐれた人の薫陶を台無しにするくらいなら、敬遠して影響を受けながら生きていきたい。(生き方の主題)
 そのための方法としては第一に、自分に自信を持つことだ。(複数の方法一)人間は一人一人全然違う。だから、世界に一人しか存在しない、人とは全然違う自分を育てなくてはならないのである。すぐれた人の真似ばかりしていては意味がないのだ。その人にはない、自分らしさを探すことが大切なのだ。「モナ・リザ」や「最後の晩餐」を書いた人として有名なレオナルド・ダ・ビィンチに絵を教えていた先生の話である。レオナルドは、14歳から16歳まで画家見習いとしてアンドレア・デル・ベロッキオに師事する。この工房である日、ベロッキロは、レオナルドに途中だった「キリストの洗礼」の一部を書くように頼んだ。そして、レオナルドの絵の上手さにベロッキオはとても驚いたのだった。ベロッキオは、この後一切筆を持たなかったという逸話がある。(伝記実例)私は、ベロッキオがもう二度と絵を描かなかったのは、もったいないと思う。なぜなら、彼も普通の人よりは比べものにならないくらい、絵が上手かったのだ。そして、たくさん生徒もいた。大げさに言えば、もし彼が天才レオナルドに会わなかったなら、彼は死ぬまで絵を描き続けていただろう。(笑)(ユーモア表現)
 また第二の方法としては、すぐれた人のライバルのことも調べて、異なる点を発見することだ。(複数の方法二)人間は皆、完全ではない。だから、もちろん欠点も絶対にあるはずだ。例えば、最近世界史の勉強で習ったのだが、17〜18世紀のヨーロッパの哲学にもこれと似たようなことがある。イギリスのフランシス=ベーコンは「帰納法」というイギリス経験論を提唱した。この思想は、文字通り経験や観察を重視することに重点を置いている。これに対して、フランスのデカルトは、「演繹法」という大陸合理論を提唱したのである。この思想は理性を重視するものである。この二人の考えは、まるで全く違っているようだ。(たとえ)このように、ベーコンだけを見ていたら、彼だけ正しい、すぐれていると勘違いをしてしまうが、デカルトと比べてみるとどちらも正しいのかもしれないと思うようになる。(体験実例)
 確かに、私たちはすぐれた人から直接教わることや習うことはたくさんある。また、すぐれた人と付き合うことで、その人の人生がコロッと変わることも珍しくない。そんな素晴らしい経験もあるのである。(反対意見への理解)しかし、「明日の朝が仕事を完成させて持ってきてくれるわけではない。」という名言もある。(名言の引用)すぐれた人と一緒にいるからといって、自分の頭が良くなるとは限らないのだ。その人を遠くから見て、その人の良い所だけを取り入れて、自分の個性を育てた方が良いだろう。私は、すぐれた人、あるいは圧倒されそうな影響を持った人と、ある程度の距離をおいて接して生きたいと思う。(生き方の主題)

   講評   unagi

 
 <第1段落>大事な部分に注目し要約をまとめました。生き方の主題は「敬遠して影響を受けながら・・・。」。
 <第2段落>方法①「自信をもつ」:レオナルド・ダ・ビィンチと師匠のベロッキオを伝記実例として挙げ、方法①を説明しています。弟子の偉大さに圧倒されて引退してしまった師匠の例ですが、適切な題材です。「・・・彼は死ぬまで絵を・・・。」でユーモア表現が書けました。天才と出会ってしまったがための秀才の哀愁を感じさせるユーモアです。
 
 <第3段落>方法②「偉大な人物のライバルに着目する」:デカルトとベーコンという対照的な2者を例に、方法②を説いています。1人の思想家に傾倒して視野を狭めてしまうことを警告しています。「ベーコンだけを見ていたら・・・正しいのかもしれないと思うようになる。」は、まさに「敬遠して影響を受ける」状態です。
 <第4段落>反対意見への理解が丁寧に書けました。名言「明日の朝が仕事を・・・。」に続く説明が上手く、この名言引用を納得させます。主題への流れもスムーズですね。
                    

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)