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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   BOYS&GIRLS   

 飢饉や飢餓が、直接食糧の不足によって引き起こされるのではなく、また暴力的抗争の中で殺されたり傷つけられたりするといったことが、単純に出来事の「暴力性」からくるのではないというのであれば、そこにセンが語るように「社会的なもの」のはたらきを探ることができる。経済格差がこのように、単に財の多寡といった量的な差ではなく、何かしら文化的に異なる集団の間に「差異」として現れてくる経緯を見てみると、そこには経済開発が「国づくり」や「国民づくり」そのものとしてすすめられてきたという事情が、やはり深く関係していることが分かってくる。私は、法律のような表面だけではなく、文化等の内面的なものにも目を向けるべきだと思う。
 そのための方法として、第一に物事の奥底を見る力を養うことだ。世の中は男女平等といい、法律などもたくさん定まっているが、実際の所はまだまだ難しいことが多い。この前、私は家庭科の授業で「男女平等社会であると言われているが、未だに残されている問題」といったことを考えた。その中のいくつかをピックアップすると・主夫より主婦という言葉の方が一般的である。・領収書等に書く名は夫である場合が多い。・嫁ぐという言葉が残っている。…といった意見があった。これを考えて、何気なく見かけたりしていた物事が男女平等ではないことに気が付いた。表だけではなく、こういった根本を考える機会を増やしていきたいと思った。
 そして、第二の方法は社会全体で文化を変えるような試みをすることだ。例えば、地域の少年サッカークラブのメンバー募集のポスターに「女の子歓迎」といった言葉が添えられているのをよく目にする。サッカーといえば、何となく男の子のスポーツという感じがする。しかし、なでしこジャパンなど女性が活躍する場が増え、そのイメージは変わった。今となっては、オリンピックでの競技は男女ともに同等という位人数が代表になっている。スポーツや音楽など、国境を関係なく出来るものからでも、少しずつ過去を変えるような革命をしていくことが必要だと思う。boys&girls(English!笑)が本当に平等になれる時代が一日も早く来ることを祈っている。
 確かに、法律上での平等を定めるのは必要だ。しかし、決めるだけで後は自然の流れに身を任せ…という訳にはいかない。まずそういう社会を作り、平等は暗黙の了解といった形に変えなければいけない。『表を着飾るのではなく、中身を充実させることが最も必要なのである。』と思う。自分自身が「こうだからこうだ」という概念を捨て、そういう社会になるように望むことが出来るならば、難しいことはないはずだ。声にすることや、文字に表すことは誰でも出来る。その内側にある気持ちや信念をきちんと理解出来るような心を持つことが必要になる。外面だけではなく、内面に目を向けることで見えるものを発見出来るようにするべきだ。

   講評   nane

 全体の構成がしっかりしているね。
 第一段落の結びで、意見の焦点を絞ったところがいい。書きにくいテーマのときも、このように、第一段落の早めの段階で意見を明確にしておくと、あとを続けやすくなる。
 「主夫と主婦」「世帯主は男」「嫁ぐは女へん」など、よく具体例を考えた。文化的に、男女の差が残っていることは多い。ただし、その差が合理的なものであればいいけれど、根拠のないものもけっこうありそうだからね。「土俵に女性は上がらない」などは、どっちになるのかなあ。(笑)
 社会全体で変えるというところも、具体的な例を書いたね。
 日本では、文化的な差別と言うと、男女差別ぐらいしか思い浮かべにくいけど、世界には人種差別や宗教差別のような例はかなりある。法律的な平等を実現したあとに、徐々にその文化的な差別を克服していくことが大事なんだろうね。
 内容をよく消化して書いていて、えらい。


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