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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   環境税の導入について   おかし

 最近日本でも導入が議論されている環境税。分類は炭素税と同義の「環境税」、それ以外「環境関連税」がある。環境税は税収を得ることが目的の税なのか、税収は目的税として、環境対策に、あるいは社会保障財源として用いるべきなのか、普通税として一般財源化するのかという議論がある。環境経済学では、環境税を導入することで、現代の社会を環境配慮型社会へ転換させるような研究がなされている。例えば、容器包装の重量ごとに税をかけていくと、必然的に過剰な容器包装の財は高額になり、そのような財を生産する企業は市場競争力が弱くなるといったものが挙げられる。この環境税が孕む問題を2つ挙げる。
 1つ目の問題は環境負荷を高める可能性があることだ。それは環境税の税収を一般財源化すると起こりうる。例えば、揮発税は道路整備等の諸事業を推進するための財源確保を目的としている。それでは、工事・交通量の増加によって、かえって環境に負担をかけてしまう恐れがある。
 2つ目は国際競争力の低下である。特定の国が環境税を導入すると、その国の生産した財は環境税を導入していないほかの国の財よりも高額になり、輸出などが不利になる。それが生産拠点を環境税未導入の国に移す原因となりうる。そうすれば、環境への負担は一層大きくなるだろう。
 環境税とは環境を守るための税ではなく人間を守るための税である。世界各国で異常気象が見られる中、私たち人間は全世界で協力しあって、このような問題に取り組んでいくことが不可欠である。短期的に見ると、現在京都議定書を脱退しているアメリカ、二酸化炭素の削減義務を負わない中国・インドは削減義務を負っている他の国々よりも、経済的に有利かもしれない。しかし、長期的に見ると地球環境が悪化することは、それらの国々に対しても不利益に働くのである。よって、各国で環境税のような対策による市場のコントロールは今後ますます必要になってくるだろう。

   講評   nane

 環境税がはらむ問題は、税金が持つ問題の典型だね。ある意味で、経済の問題の典型と言えなくもない。
 課税によって経済をコントロールすることはできるが、その課税が別の場所で別の影響を持ち、その影響の方が大きくなると、逆効果になることがある。
 特に、現代の社会では、国際的な視点を欠かすことができない。国内で効果があるということは、それだけ他国との差が広がるということだから、環境税の圧力を避けるために、海外に逃避する企業も出てくる可能性がある。
 また、ある分野で環境税をかけると、それが政策の望む方向ではなく、環境負荷を逆に高める方向に働く場合がある。フロンガスの抑制のときも、抑制が始まる年までに在庫のフロンガスを全部使い切ろうという企業があったらしいからね。(笑)
 「環境税とは環境を守るための税ではなく人間を守るための税である。」は、すばらしい名言。これは自作名言で、いつでも使うようにするといいよ。


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