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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マニュアル片手に指示を待つ   うさぴょん

 自分で判断し決断し行動する。簡単なようにみえて、じつはとてもむずかしい。われわれでも、ときとして判断に困り、大勢の意見に依存してしまうことも少なくない。しかも、そうしたほうが楽であることも、また事実である。その判断が、かりにまちがっていても、自分自身に責任があるわけではない。まして、その責任を追及されることはない。その意味でも、自分自身で判断するより、はるかに気楽である。
 周りに任せれば気楽もお気楽、楽ちんである。かく言う私も、最近は自ら動くというのをやめてみた。そうしたらみるみるうちに煩わしいことが減った。メンバーがまとまらなくていらいらすることもないし、自分の頭で意見を組み立てる必要もない。その上、その判断をした責任を取る必要もない。言い出しっぺにならず、沈黙や脱線していく話し合いに耐えてさえいれば誰かがやってくれるのである。<体験実例>これは私だけに当てはまることではないだろう、誰もがそう思っているはずだ。周りを牽引している人でさえもときどきそう考えることがあるのではないだろうか。だから、間違ったことではない。あなたの判断は間違っていた、そう責められるのは誰しもごめんである。判断の仕方はそのときの状況や周りの意見、何より決める人の考え方で変わってくる。よって統一を図るためにマニュアルというものが生まれてくるのである。このマニュアル、存在すべきか否か。
 存在するということは必要だったということだ。なぜマニュアルが生まれてきたのか、それは前述したとおり判断の統一性である。サンプルとして歴史的な御成敗式目をあげてみよう。御成敗式目とは鎌倉時代に北条泰時により作られた裁判の基本法だ。取り決めがなくては都合の良いように解釈されてしまうだろうし、人によってまちまちだ。現代社会でいうところの法律だ。法律で罪に対する罰の重さが罪人の出自や上代にかかわらず決まっているからこそ、社会がきちんと運営されていくのだろう。また営業の対応だとしたら「この人に言ったらちゃんと決まるのにあの人に言うと決め直さなくてはならない」といったところだろうか。また、マニュアル化することに見いだせる利点は他にもある。例えば、ファーストフード店では客の選んだメニューに対して同じ順番を踏む。働かせる側は敬語の使い方やメニューの聞きそびれがなくトラブルが起こらないし、働く側はそんな不備が起こらなくていい、客にとってみればそれもあるし、次に聞かれることが予想できるからすぐに答えることが出来る。取引や交渉をスムーズにさせるためにもマニュアルは存在しなくてはならない。<複数の意見一>
 そのマニュアルに縛られる、本末転倒だ。マニュアルがない、指示がない、やるべきことが分からない、だからすることができない。そんな人が増えている。学校の生活の中で言えば自由研究である。自由研究で何を研究するかはその名の通り「自由」だから自分の思うように調べることが出来る。しかし、逆に何を調べたらいいか分からなくなる人も多い。
(今興味があるのは「ペルソナ3」だけど、ゲームじゃあ研究できないよな。マジ決まんないし。なんかいいのないかなあ。)
などとぼやくこと(笑)もあるだろう。結局期日を過ぎてしまったり、有名な人物だとか安易に決めてしまったりする。<ユーモア表現><複数の意見二>
 手引きは確かに必要だが、不必要な面もある。日常的に指示を提示されていたのではいつまで経っても伸びず、命令を出す人がいなくなったら動けないからである。故に、マニュアルを使う前に、自分で行動する計画を立ててみるべきなのだろう。<総合化の主題>

   講評   nara

 確かに、法律は大きな意味でマニュアルと考えることができるね。ここはおもしろい意見だ。現代の裁判でも法律を基に、いろいろなことの有罪・無罪を確認していくわけだけれど、その解釈が分かれることも多々ある。判例集も作られるわけで、マニュアルのマニュアル、マニュアルの運用手引きというように、どんどん細かくなっていくのだね。これは、細かさが細かさを呼んでいるということかもしれないな。
 マニュアルの利点についてはかなり詳しく論じることができたね。この段落は具体例も豊富だし、マニュアルに沿って動く側とその相手というように、視点も多角的に論じてある。一般的に「マニュアルはイカン!」という意見が強いからこそ、こういう論を展開できると、読みごたえがある作文になる。
 とはいうものの、反対意見があっさりしていて、バランスが悪いのが残念。この作文の結論を考えると、もう少し「縛られるのはよくない」という意見を膨らませておくほうが、流れもよくなると思うよ。マニュアルはいわば他人の思考で動くための指示集だ。自分の頭で考えることができないと、何が・どうしてよくないのかを説明しておくといいね。うさぴょんさんの大きな目標が、この「バランスと流れ」のレベルアップということになりそうだな。

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