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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化ということを(感)   ポッター

 ヨーロッパでは、職業、地位、階級等の別なしに、人間は市民として互いに対等の存在である。で、各人はそういうものとして自己を把握しているから、個人としてそのありかたが独占的で、強く頼もしい。そして社会はこういう人たちの寄り合い、約束の場である。日本の生活意識においては、このことは、一部の人たちに概念的に受け取られているほかは、今なお全く欠けているのである。到達点としては、全てが強い対等の人格となることが目標だと、私はいまなお考えるのである。この目標は、人間生活がいかに集団的になっても、不動でなければなるまい。このことが、こんにち、また将来の日本の文化を考えるときの筆者のたてまえである。
 私は、外国の文化を取り入れることは、良いことだと思う。
 外国と一言でいっても、その数は多い。アメリカ、中国、韓国、イギリス、フランス、ドイツなどの、欧米諸国や日本を除いたアジアの国々。また、インドやブラジルなどの、南アフリカの国など、世界には二百近い国がある。その中でも日本と交流が深いのは、やはり欧米やアジアの国々だろう。特にアメリカは政治や経済、文化などの全ての面で、日本と一番親しい国と言っても良い。そのアメリカと日本を比べる際に、よく例として出されるのが、「教育」についてである。
 アメリカの教育制度は、「自主性を重んじるために、自分自身で考える力を育て、リーダーを排出する」というもの。反対に日本の教育制度は集団の和ばかりを気にして、『出る杭は打つ』という精神で行っているために、個人の優れた特徴が育たないという評価が一般的なのである。例えば授業でディベート(討論)をやったとしよう。米国の子供なら、躊躇することなく自分の意見を周りに伝える。たとえそれが間違っていようと、自分の意見に誇りを持っている。けれど、日本人の子供はそうもいかない。結論を出すまでにあれこれ考え、躊躇いながらも発言する。そしてその意見が一度でも否定されると、発言を取り消してしまうことがある。確かに自分の意見が必ずしも正確であるとは証明出来ない。しかし、だからといって他論に乗り換えてしまうのも、的外れである。ここはやはり、大きな経済規模を持ち、技術開発力、生産力、消費力などで世界経済を引っ張る存在である、米国の教育文化を手本にすることが重要だと思う。
 しかしそれと同様に、日本文化も大切にしなければいけないと思う。
 前述の通り、欧米諸国は個人が独立している。自分は自分、他人は他人という判断をし、相手の領域に無理に踏み込もうとはしない。それとも、そう思わないのかもしれない。果たして、これは本当に良い事なのだろうか。日本は人との関わりをとても大事にする。集団の和の中に入って、人と触れあう事で自分を磨く。私は、欧米の「独立文化」は、あまり良いと言えない気がするのだ。
 日本は何百年も昔から、この「他人との関わり」という、一つの文化を守り続けて来たのだろう。近所付き合いもその一つだ。挨拶や他愛無い会話等で、少しずつ仲を深めていく。「つまらないものですが…」と一言付けて、“お裾分け”を持って行ったり、お返しをしたりもする。一回、二回と相手の心の扉をノックして、ドアが開くのを待つ。そうして、第三者ではなく、○○さんという人物として、ページに書き加えられる。私は、このような文化は今の、将来の日本にとって、必要なものになると思う。
 また、日本人は自分より他人を大切にするところがある。「謙遜」という言葉でよく使われるものだが、あえて己を上手く見せようとせず、逆に相手を褒める。良い箇所を出来るだけ多く見つけ、広い範囲で伝えようとする。譲り合いの心というものが、私はこのような、人を大切にするという、温かい文化を持っている日本を、誇りに思う。
 確かに、自己を育てる欧米の文化も大切だし、他人を想うという日本の文化も忘れてはならない。しかし、「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」という名言があるように、欧米人のような日本人になるのではない。外国人だから、日本人だからという考えを捨てて、一人の人間として、自己主張をすること、協調性を持つことが大切だと思う。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。中学生の課題では、様々な問題について深く考えなければなりませんが、今月もポッターさんらしい実例を挙げながら、すばらしい意見展開ができました。


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