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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   判断環境   いうや

 高齢化現象は、暗いイメージがあるが、そうではなく日本社会が作り上げてきた成果だ。高齢化問題は、これまでの高齢者の比率が少ない時代に合理的だった仕組みを、高齢者の比率の多くなる時代に合わせて変化させていけばよいのである。高齢者の福祉を若い人が負担するという問題もあるが、人口構造が安定すれば、その負担の引継ぎが世代間のルールとなる。つまり自分たちの世代が、人生のどの時期に負担が多くなるかということである。判断材料をを多く収集し、慎重に結果を判断するべきだ。
 その方法は第一に、結果がどのように転がるか予測する視線を持つことだ。特にスポーツで、予測する力は大切である。僕は今ハンドボールでキーパーをやっているが、予測力は必要不可欠だ。シューターがどのコースへ撃ってくるか、どのような速さのボールが飛んでくるかということを、自陣の守備体制、相手の体勢、癖、手首の方向などから判断しなければならない。そして次の瞬間、その判断の正誤が出てくるのだ。読みは一瞬である。しかしその一瞬の中に、先に挙げたような多くの情報を可能な限り集め、判断するのである。これは何事にも当てはまるのではないだろうか。
 その方法は第二に、長所と短所を客観的に見極めることだ。全てのものには長所と短所があるが、それも見極めることで、そのものの本質を捉えることができるのだ。短所を長所がカバーしたり、短所を長所に変えてしまったり、その逆もある。庁舎ばかり、もしくは短所ばかりを情報として吸収すると、落とし穴にはまってしまうのである。つまり長所と短所を探し出して並べてみると、そのものの実態が浮かび上がってくるのだ。
 確かにそのときに気持ちの持ちようで、偏った判断を下してしまうこともある。しかし少し注意して自己制御し、気持ちを落ち着ければ、正確な判断を下しやすくなるだろう。気持ちとは、永久不滅のものではなく、千変万化で、なおかつコントロール可能なものである。先を長く見て、現在持っている情報を整理し、落ち着いて考えれば、百発百中とまではいかなくとも、真実に近づくことができるだろう。高齢化社会と聞いただけで、将来が危ういと判断するのではなく、長い目で見て、どのように今後変化していのか考えを巡らせることが大切ではないだろうか。判断は冷静になり、広い視野を持ってするべきである。

   講評   huzi

 ほとんど申し分ない出来です。ためていた力が一気に形になったという感じがしますね。高齢化社会は大きな社会問題です。どのように解決するかを真正面から述べるのは、政策のプロであっても難しいはず。だからといって、自分の体験に引き寄せて考えることも決して不可能ではないということを、この作品は示しているね。
  高齢化社会のイメージとは…。高負担・発展性の薄いといった言葉が出てきます。しかし、そのイメージに囚われながらマイナス面を数えるのではなく、どのような立場に立てばいいのか、判断材料を多く収集し、慎重に結果を判断すべきと、【当為の主題】で述べていますね。さらに実際の【体験実例】に即した意見を自分の言葉で展開できた。
  ハンドボールが一瞬で多様な判断が必要であるのに対し、高齢化問題はじっくりと時間をかけ予測し対策をねることができる。一般的に考えると、ハンドボールより簡単そうです(笑)。
 むしろ、判断の客観性を保つという第二の【方法】が難しいのでしょう。長所短所は、人間が対象の場合、判断できにくいことも多く、また、多数決によって決めてしまうと個々の利益に合わないのです。とにかく、偏った情報やイメージで語ることは避けるべきですね。庁舎→長所
 結びは、書き出しの意見とピッタリあわせられたね。百発百中の解決策などはないと思います。しかし、將くんが述べているように、永久不滅はなく千変万化であるゆえに、客観性と幅広い視野が必要だといえそうです。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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