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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   教えると云う事   えにほ

グローバル化が進み、資本の流れが自由化するにつれ、国の役目も変ってくる。今までの国民の平等性を尊重した政策もつじつまがつか無くなってくる。そして、日本では、グローバル化に求められる人材を作るため教育制度改革の討議が日本では進行中である。カナダ、アメリカでも大学教育の責任説明が討論されている。今まででは、大学で「教える」事は余り重視されず、どっちかと云うと教授なら研究の方が大切とされた。そんなかたよった大学教育が問題視され良い方向へと動いている様にも思えた。しかし、つい最近カナダ大学の教授陣の組合が発行している新聞に面白い投稿があった。それによると、90年代以来、「習得の科学」なる考え方が横行しているらしい。技能や『critical thinking』等が先攻して、教授法がうるさく言われるようになった。しかし,かえって、習っている内容がどの様に社会で起こっている事と関連性があるのかはあまり重要視されない。関連性のない技能が謳われるようになったのだ。とんでもない考え方が横行しているのは確かである。インターネットとコンピューター技術の進歩で,よけいに上辺だけの技能主義が先攻するように思われる。

第一の対策としては、大学教授の意識改革である。これをするには、教授陣の昇進評価に、教えることの比重を研究のそれと同じくらいにする事だろう。教える事の重要性を説く大学内での動きはあるのだが、残念ながら、今思うと「習得の科学」の動向から来たものだと思う。

第二の対策としては、上辺だけの技能主義や「critical thinking」を謳うものに対抗できる、云うなら「ほんまもん」の先生達の声がある事だと思う。教育と云うのは人間のぶつかり合いで出来るもので、結構泥臭い物である。つい最近、NHKの「プロフェショナル」と云う番組で島根県の中学校で教える英語の先生のその「プロフェショナル」である様の紹介があった。彼の教え方もそうだが、教育とは生身のいろんな人の性格をそのまま受け止め、少しでも生徒自身が自分で習う事を促す役目だと思った。

確かに,大学生ともなると半分大人で中学生の無邪気さはない。どのように面白く興味を引かせるのか、なにか良い方法があれば、どの教授も教授法を考えてみるのも良い事だと思う。しかし、そんな教授法の使い方も教授自身の独りよがりが多い様に思う。 やっぱり言っている事が面白いか、人間味のある先生でないと生徒を引きつけないと思う。「プロフェショナル」に出ていた先生も大きな失敗の経験をもとに長期でたどり着いたのが彼の教授法である。さるが木から落ちる事でやっと大きな改革が望めるのかもしれない。長年大学と云う機構で生活している教授にとって、教えると云う事の向上が教授法のワークショップに参加して技術を磨こうとするのだが、どこか「ほんまもん」になる物を見出していない様だ。

   講評   unagi

 <1>社会背景の記述と共に、教育現場での問題点を指摘しています。読書実例として新聞記事を取り上げ、主題への流れをスムーズにしています。予測問題の主題は「上辺だけの技能主義が横行」。★先攻→先行
 <2>対策①「大学教授の意識改革」:教えることに重きを置くためには、昇進評価に反映させるべき、という意見を説く段落です。ポイントが明確な、無駄の無いまとめ方になっています。

 <3>対策②「ほんまもんの先生の声を」:教育現場を扱ったテレビ番組を話題とし、「プロフェッショナル」であり尚且つ「人間味のある」教師の声の大切さを述べる段落です。「泥臭い」という言葉が<1>の段落にある教授陣の姿勢と見事に対照をなしています。

 <4>反対意見でバランスを取っています。自作名言が結論の終着点になっているところがよいと思います。(「大きな改革は、さるが木から落ちてこそ成しうる」)締めくくりの1文が、現状と将来を憂う雰囲気を醸し出しています。
 

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