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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新しい偏差値への対応   Asako

大学への進学が特別な秀才だけに与えられる特殊な社会経験でなく、大衆化してしまった現在、教育のあり方が問われる。そして、残念な事に、受験の競争は加速するばかりである。日本では偏差値と云うもともと生徒の試験の結果の位置づけをする数値が大きな社会現象に発展し、大きな価値観、世界観を生み出している。多くの学生も父兄もその枠組みに洗脳されてしまい、多くの塾産業をそれにあやかっているのが長年の現状だ。日本の塾産業を考えると,日本ほど教育が民営化されている国も珍しい。道理で公文式の塾もカナダに進出し人気があるらしい。しかし、相変わらず、学校、塾,その他のお稽古ごとに子供達はとても忙しい毎日を送っている。そんなにチャンスがあるのだから、恵まれているとしか言いようがない。 しかし、ある意味では、忙殺の中、自分の目的や将来の願望などを考える暇もない様である。偏差値を少しでも上げるだけの脅迫感が先行する教育では、あまりにも悲劇であると云える。

第一の対策としては、父兄の教育に対する考え方の啓蒙である。この変動する社会で何か保証になる物と云う考えから、昔から同じで教育に期待をする。しかし、何の為の教育なのか、テストなのか,偏差値なのか、もう少し大きな視野に立って子供の可能性を観察する事が大切である。一番大事な事は、学生自身が 自分の人生のチャレンジを構築していけるだけの器量と能力を作る事だ。

第二の対策としては、学生自身の啓蒙である。なぜテスト、偏差値のためがんばるのか、 何か個人的で意味のある回答を学生が一人一人持っているべきだと思う。年々変わるのも良いし、たえず,自分は何に惹かれ,何が楽しいのか。その為何をしないといけないのか、と自主的で積極的な意味づけがいると云う認識が大切だ。少なくとも、そんな葛藤がある事を教育の場のレーダーにかけ、 話せる環境作りが必要だ。偏差値は数字だが、教育の場では、学生の将来に向かう方向への見方や考え方がどれだけ実っているかと云う把握がいる。何か手応えのある会話を提供できれば、学生の自主的な認識を助ける事には間違いない。

確かに、偏差値体制の行き過ぎにも問題があり、安倍首相の云う、「何度もやり直しのできる社会」と云うのは現実的で新しい見方を詮索する上で役に立つイメージである。「やり直し」と云うと悲観的だが、要は、学生の自主的な将来像や希望、願望の認識が自分の人生を切り開く大きな要因になると思う。大学進学が大衆化すると、体制にぶら下がっている人達よりも、大学と云う機構の枠組みを知った上で、自分の目的や願望を追求する方が利口である。

   講評   unagi

 <1>大学進学の大衆化、受験競争の過熱など背景を分かりやすく説明しています。予測問題の主題「脅迫感が先行し、将来の願望を考えられない社会」。
 <2>対策①「父兄を啓蒙」:「大きな視野で子供の可能性を考える」よう保護者の意識を変えることを提案する段落です。端的にまとめ上げています。

 <3>対策②「学生自身を啓蒙」:大元である学生自身に「自主的かつ積極的な認識」をもたせるべき、という意見を説く段落です。手段は教育現場での啓蒙であり、環境を整えることが必要であると指摘しています。「手応えのある会話」というのが特にポイントとなるようです。
                   
 <4>「確かに偏差値・・・。」で反対意見への理解を示しています。体制にぶら下がらず、また現状を嘆くだけでもない、「自分の将来を認識する」発想をもつべきであるという意見で締めくくっています。一貫した意見で破綻も一切無く、筋の通った文章に仕上がっています。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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