対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2566 今日321 合計2887
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   ある朝、私は一冊の(感)   ポッター

 私はその光沢のある、小さな宝石のような眼をのぞきこみ、少年のころの狩りの楽しみの余韻を味わいながら、そのしなやかで力強いからだと固い足が私の指のあいだで抵抗し、突っ張るのを感じた。だがそれからよろこびは消えてしまった。捕まえた動物をどうしたらよいのかまったく分からなくなった。どうすることもできなかった。それを持っていてももう幸福感はなかった。汽車が輝く鉄路を走って来て、私のそばを通り過ぎた。それを見送った私は、一瞬非常にはっきりと、ここではもう私の本当のよろこびが花咲くことはないと感じた。そしてあの列車に乗って世の中へ出て行きたいと、心の底から思った。
 私はこの文を読んで、確かに、人間には無邪気で純粋な子供時代も必要だと思った。自然に取り囲まれ、体全体でその楽しさ、素晴らしさ、満足感を味わえる、感じることができるからだ。
 私も小学生だった頃は、友達と一緒に近くの公園で、木登りをしていた。休日は殆どと言ってよい程木の上に居て、昼寝をしたり、御飯やおやつを食べたり、話をしたりしていた。そのお陰でお腹に傷をつくったり、五時の鐘が鳴っても家に帰らないで、親に叱られたこともあったが、その時は本当に楽しかった。それと同時に、自然の素晴らしさというものを感じられた。
 春には桜の花が咲いて、まるで桃色の雲の上にいるような気分だった。木の上での花見は、下からとは随分違い、一段と桜が綺麗に見えた。夏は緑の葉が覆い茂って、木の上にいると涼しかった。枝葉の隙間から眩しい陽の光が差し込み、何とも言えない、清々しい気持ちになれた。秋は葉が赤や黄色、橙に染まり、一面が秋一色になっていた。葉が風に乗って落ちて行ったときは、少し寂しくなったのを覚えている。冬はあまり登らなかったが、それでも、雪の日の眺めは素敵だった。辺り一面の銀世界…とまではいかなかいけれど、キラキラ光って、宝石みたいだった。放課後に、何人かの友達と「木の上での」雪合戦をしたこともあった。四季折々の景色を楽しみ、感動し、時にはその魅力に惹かれ、この素晴らしい自然と一つになっているような、そんな気がしていた。
 子供でなければ得られないもの、それはとても大切なものだと思う。自然をありのままに見て、感じて、そして受け取る。そのような素直な気持ちを、失ってはならないと思う。
 しかし、子供時代の幕を閉じ、一歩成長して新たなステージに立つ事も、必要だと思う。確かに、子供時代に味わった喜びや輝きも大事にしなければいけない。しかし、それを抱え込んだままでは、何も出来ないと思うのだ。例えば今、中学生になった私が木登りをしても、あの頃のようには思えないだろう。寧ろ、「自分は何をしているのだろう?」と、馬鹿馬鹿しく思えてしまうかもしれない。けれど、それは仕方の無い事で、誰にでも、なければならないことなのだ。
 私は小さい頃、母親によく絵本を読んでもらった。多いときは一日に十冊以上も読んでもらっていたらしい。小学校の中学年くらいまでは毎晩のように読んでもらっていた。しかし高学年になってから、親や教師、友達に対する気持ちが変化してきて、以前のように本を読んでもらったり、泥まみれになって遊んだりすることはなくなってしまった。中学生になってから、休みの日には友達と電車に乗って、上野や原宿あたりで買い物をするようになったし、本も文庫本や雑誌などに目を通すようになった。物の見方や考え方が変わって、随分と大人になったような気がする。それと同時に親から離れ、自立していくようになった。洗濯物や食器など、自分の使った物は自分で片付けるようになったり、大会の時の弁当もなども、自分で作ったりした。将来のことを考えて、今から巣立ちの準備をしなければならないと思ったのだ。
 人間も動物も、いつかは親離れして、一人で道を歩まなければいけないときが来る。今は親離れ出来ない子供が多いと言うが、自立心を高め、新たなスタートを切る事が必要なのではないかと思う。
 確かに、愛情を注いでもらって健やかに成長する時期も、自立して成長する時期も、どちらもとても大切だ。しかし、「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある」という名言のように、その時間を有意義に過ごす事が大切だと思う。今を精一杯生きる、それが重要なことではないだろうか。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。忙しい10月が終わりましたが、少しは落ち着きましたか?


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)