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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   あなたがたはとくと   子ヤギ

 手仕事による品物は、一つとして作った人の名をしるしたものはない。ところが、近世の「美術品」と呼ばれているものは、どこにもみな銘が書き入れてある。しかし、私達は手仕事をして働いているかれらを無名の職人だからといって軽んじてはならない。かれらにも正しい品物を作ること、というほこりがある。多くの職人たちはその名をとどめずにこの世を去っていくが、こしらえた品物の中に生きていた意味が宿る。かれらは品物で勝負している。物や名で残ろうとするのではない。
 私が小さいころ、祖母にびいどろを買ってもらった。びいどろは昔、ポルトガル人が長崎に伝えたガラス細工。吹き口から息を吹きかけると、パチパチと火花のような音が鳴る。たしかに、どこを見ても銘は無い。しかし、周りに描かれてある花の花びら一枚一枚や、色のあざやかさ、不思議な形、いまにもやぶれそうなうすいガラス、これらを見ていると品物の中に職人が生きているような気がする。
 昔の京都には、清水焼や西陣織などの伝統工芸品がたくさんあった。しかし、今では一部を除きほとんどが機械で作られている。しかし、私は、この現実が不愉快だ。少し前までは職人が生きている服や着物などを着ることが出来た。しかし現在はちがう。  「燈台下暗し」
いまの日本は、手作りの物がたくさんある。京都の他にもびいどろや鳴子こけし、有田焼、輪島ぬり、瀬戸焼きなどが代表的だ。しかし、人々は手作りの品物の良さにまだ気付いていない。手作りの品には、出来た時の喜びやむずかしい所を作る時の苦しみ、長年の仕事での工夫などその人の思いが全部刻まれている。それを簡単に苦労などもせずに作りあげるなんていうやり方がすばらしいなんていう考え方はゆるせない。この日本だけは、絶対に絶対に手仕事をなくしたくない。

   講評   yuta

◆要約は、長文の後半部分をまとめたのですね。できれば前半も入れながらまとめられるといいね。
◆おばあちゃんにかってもらったびいどろ。昔ポルトガル人が長崎に伝えたものだったんだ。たしかにどこにも銘は書かれていないけれど、品物の中に職人の技が生きている。あの薄いガラスの部分はどうやって作るのでしょう。受け継がれた手作りの技法に違いないね。
◆子ヤギさんの住む京都には清水焼や西陣織などの伝統工芸品がありますが、今や手作りのものは一部でほとんどが機械で作られているのですね。先生も京都に行くと、そういったものを買うことがありますが、確かに観光客相手の商品という感じはします。
◆「燈台下暗し」ということわざがあるように『今の日本は手作りの物がたくさんある』。『それを簡単に苦労などもせずに作りあげるやり方がすばらしいなんていう考え方がゆるせない』。戦後の日本は経済成長を追い求め、生産性を重視してきました。その流れの中で手作りの心が失われてきてしまいました。全てがなくなってしまう前に気づかなくてはね。
       

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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