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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化の意味   はる

 人間は、「本能」の赴くままに行動しようとする時、それ自身の導きを失い、従って、混沌と化した世界に対して、素手で働きかけることができず、文化という装置を創り出すことによって、再び秩序を取り戻してきたのである。この文化という装置とは、もともと自然の混沌に秩序を与えるために、人間が集団としてある意味では恣意的に創り出した記号体系である。しかし、一旦できあがるとそれは自立性を獲得し、逆にその創造者を呪縛するようになった。このようにして、人間はもはや文化という装置なしで生きていけない存在になってしまったのである。我々人間はみな、文化を通して世界を見ている。自分の狭い世界を基準として他の文化を忌避するべきではない。(第一段落 要約・当為の主題)
 そのための方法としては、第一に、自分の理解しがたいものに対してもできるだけ理解しようと努めることだ。私の学校では、二年に一度、オーストラリアから数十名の留学生が、二週間程滞在する行事がある。その時に毎回驚くことは、彼女達の明るく、積極的であり、そしてとても友好的であることだ。各クラスに一名入ってくるのだが、彼女一人で五人分くらいの明るさはある、といっても過言ではないだろう。こちらから話し掛けようとする前に、自分の知っている単語を連ねて会話をし始める。そして、喋り出すと止まらないのだ。ここで、大半の子がついていくことができずに、留学生専門のお手伝い係となる者に任せきってしまう。彼女のこの積極的さといったものは、自身の性格のうちとなるものもあるのかもしれない。しかし、私たちは彼女となる文化そのものをありのままに受け入れるべきなのである。これは、私たち日本人に最も欠けている点ではないだろうか。私は、二年に一度のこの行事を毎回楽しみにしており、自分も見習うように心掛けている。(第二段落 意見・体験実例)
 また、第二の方法としては、学校などで子供の頃から幅広い体験をさせ、異文化を接触する機会を持たせることである。日本の歴史上、最も時代全体が活発であったのは、やはり明治時代である。「明治維新」と呼ばれるような大きな維新もあり、日本は大幅に発展していった。その原因として、江戸時代まで続いていた鎖国を取りやめたことに大きな意味があるのではないだろうか。鎖国を取りやめにすると、日本の知らない世界がそこにはあったのだ。そこで日本が民即として急激な異文化体験をしたことをきっかけに、国は大きく成長していった。(第三段落 意見・歴史実例)
 確かに、自分の文化の枠組みで物事を見ることは、物の見方の効率化に繋がる。しかし、文化とは、“枠”と固定しきったものではなく、日々更新、日々発展していくものなのだ。自然の流れにまかせていてもなにも始まらない。私たち自身の手によって、幅を広めていくのが一番の効率化に繋がるのではないか。(第四段落 反対理解・自作名言)
 

   講評   tama

 長い年月をかけて作り上げられた文化を尊重し、守ることも大切ですが、お互いの接触を避け、狭い枠組みの中で固まってしまうことはいいことだとは言えません。柔軟な心で異文化に向き合えば、そのよさだけでなく、自国の文化のよさも見ることができるでしょう。

【複数の方法一・二、実例】 まずは理解しようと努めること、という方法を考えることができました。留学生の受け入れの際は、個人の性格の理解が国民性(文化)の理解につながると感じたのですね。心を開いて積極的に関わろうとする態度を、私達日本人はもっと見習うべきでしょう。
 また心の垣根ができていない子供の頃から、異文化に接触する機会を増やしておくと、抵抗なく幅広い見方ができるようになるでしょう。これも良い方法だと思います。

 民即 → 民族

【反対意見への理解、自作名言】 たしかに自文化に当てはめて効率的に物を見ることも大切です。自作名言は「固定しきった“枠”ではなく〜」とするほうが自然でしょう。「私たち自身の手によって〜」という結びには、力強さを感じます。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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