対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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良い答え方 いへゆ
日本人は、あいまいに「いいえ」と言う。きっぱり否定したりすると、事実の否定をとびこえて、相手の考え方や感じ方の批判にまで及ばないとも限らないからだ。しかし、米国人は「いいえ」はハッキリ態度にあらわす。人格をもった一個の人間なら、責任ある態度をとる。事実そうでないことをあいまいにノーと言うのは、質問者に対して失礼ではないかという考え方なのだ。
たしかに、はっきり答えるのは大切という意見もある。たとえば、洋服を買いに行ったとき、右か左にかかっている服を選ばなければいけなくて、自分は左の服のほうが気に入っているとする。その時に、
「右の服のほうがかわいいけど、どっちのほうがいい?」
と聞かれて、
「えっ、うん。右のも・・・いいね。」
とあいまいに答えると、
「そう。じゃあ、右のを買おっか。」
ということに、なってしまう場合がある。でも、服は自分が着るものなのだから、相手の好みにあわせて服を選ぶのではなくて、自分の着たい服を選らばなければ意味がない。だから、そういう時は、
「右の服もいいけど私には派手すぎるから、左のほうがいいな。」
とはっきり言ったほうがいいのだ。昔話に「はだかの王様」という話がある。王様は自分が服を着ていると思って、パレードをおこなった。しかし、そのときに、家来の人が、「王様は服を着ていない」とはっきり言えば、民衆の前で恥をかくこともなかったのだと思う。このように、はっきり言わないといけないこともあるのだ。
しかし、あいまいに答えるのも大切という意見もある。たとえば、学校で友達に、
「ねぇ、あの子なんか、むかつかへん?めっちゃ態度悪いしぃ。」
と、悪口を聞かされているとする。でも、自分は、その人のことをそれほど嫌いじゃないときに、
「え〜、うん・・・そうかなぁ。」
とあいまいに答えておくと、悪口を言っている友達の話にあわせることもできるし、悪口をいわれている子のことを嫌っているということにもならない。このように、聞き手側にまわることによって、必要以上に敵をつくったりしないようにするためにも、あいまいに返事をすることは必要なのだ。
たしかに、返事をはっきり言ったり、あいまいに言ったりすることは大切だ。しかし、「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」という言葉があるように、相手との距離を上手くとって、人間関係をスムーズにするためだ。
講評 huzi
日本人は、否定する時もとりあえず相手に合わせておくことが賢明だと考えるようですね。自分がどう考えるかは、相手次第。そうすればトラブルは減らせますが、考えがはっきりしない原因になるし、そのうちに、自分がわからなくなってしまいます。
はっきりと意見を言うことの利点と、言わないことの利点を、場合を分けて考えられました。どうやら、相手が関わらず自分だけで済むできごとなら、はっきり言ってもよさそうな感じ。でも、他人が関わってくるなら、あいまいにしておくほうがいいのでしょうね。この辺の判断ができるのが、人間関係をスムーズにするコツかな?
【昔話実例】、一つ目の【意見】に移動して書いたね。裸の王様は見栄を張りたくて、家来は王様の機嫌を損ねたくなくて、(服を着ていないはずなのに)という疑問を口には出さなかったのですね。勇気のある男の子だけが、真実をはっきりと伝えた。この子は、自由な立場だからこそ、意見をはっきりと言えたのでしょう。
大切なのは、言い方ではなく、相手との関わり。その通りですね。
最後の一文は、意味がつながるように直してみてね。
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